work27 太陽光発電と屋根の塗装
太陽光発電と塗装
太陽光発電と屋根の塗装に関して書いてみたいと思います。
太陽光発電の設置場所と塗装
近年、新築時や改築などを行って、太陽光発電を導入する家庭が増えているみたいです。理由はさまざまあるようですが、その辺に関しては私の範囲外ですので書きませんが、一般家庭での設置場所の殆どが屋根なので、塗装的観点から太陽光発電設置について書いてみます。
以前書いた記事で、
塗装したほうが良い屋根や、塗装時に注意が必要な屋根などの事を紹介しました。塗装しなくていい屋根については問題ありませんが、塗装したほうが良い屋根、注意が必要な屋根に関しては、私的には太陽光発電の設置について疑問がわきます。
太陽光発電の設置は主に、「日当たりのいい南側」が基準になっています。日当たりがいいという事は、紫外線に多くさらされているとも言えますので、太陽光パネルからはみ出ている屋根材への影響はあるかと思われます。
太陽熱温水器
その昔、「太陽熱温水器」と言うものが流行り、やはり設置場所は屋根でした。部品構成は水を貯めておくタンク、太陽光パネルです。太陽の熱でお湯を沸かす仕組みです。もちろん効果はあります。太陽光発電、太陽熱温水器ともに、費用や、元を取れるのかなどの話は私の範囲外なのでわかりませんが、「太陽光発電」ではまだ経験がありませんが、(記事を書いている時点では比較的新しい物がほとんどなので)昔、「太陽熱温水器」が設置されていた屋根の塗装は沢山しました。
パネルが設置されている場所の塗装
この項では「太陽熱温水器」だと仮定して書いていきます。塗装したほうが良い屋根の場合、パネルが設置されている屋根の塗装方法は、2種類あります。
① パネルをはずし、パネルで隠れた部分も塗装する。
② パネルはそのままで塗装する。
①は取り外し、取り付け工事費がかかります。(それなりに高額です)
②はパネルで隠れた部分は塗装しません(物理的に出来ません)
①の場合はその他に、太陽熱温水器自体が壊れて廃棄(大体の場合、設置してから10年~15年くらい)する場合などの取り外した後、(設置するときには、20年~30年は持ちます(耐用する)と言われたそうです。)塗装する事も多々ありまして、大体の場合は、パネルの裏側の屋根はパネルを載せていない屋根よりも傷んでいました。
その理由は日が直接当たらないので紫外線劣化ではありませんが、湿気などによるコケなどからくる傷みです。(焼き瓦などは例外で傷みはあまり出てる様子もなく、そもそも塗装しなくていい瓦です。)(また、和瓦などは その形状から雨水の流れなどを妨げない形状なので 屋根材の形状にも原因があるのではと思います。)
特に、スレート屋根(コロニアル屋根)などは、私の経験上、他の屋根に比べると非常に「コケ」がはえやすいです。もちろんなにも設置していない状態でです。その次に「コケ」がはえやすい屋根は「乾式コンクリート(モニエル瓦など)」です。
実は、「コケ」は塗装したほうが良い屋根材にとって、とても大敵です。元々水分を含んでいますし、日当たりがあまりよくない面では雨などで水分を含むとなかなか乾燥しません。
金属屋根(トタンやガルバリウムなど)ではあまり「コケ」の発生は見られませんが、
(それでも、環境によってはコケが発生しているの見ます。)金属なので水分にはとても弱いです。(赤錆、白錆、腐食など)ホコリや細かいゴミや鉄粉などが屋根にたまり、水分を含むと塗装面の上からでも腐食や電食が起きる可能性があります。
また、ガルバリウム鋼板などの屋根の場合、メッキ層のため塗装も行いにくい屋根材です。(今は専用の塗料(プライマー)もありますが、実績(試験ではなく塗装施工後実年数)があまりありません)
太陽光発電パネルと塗装面
塗装した方が良い屋根材は経年劣化すると非常に水分に弱い事が殆どです。「太陽光発電」は「太陽熱温水器」よりも殆どがパネルが広範囲です。
この写真では、スレート屋根(コロニアル屋根)に太陽光発電を設置しています。屋根との接点は少ないとは思いますが、屋根材の経年劣化や、塗装(塗り替え)という観点からみれば、作業が大変なのではと想像してしまいます。
スレート屋根(コロニアルなど)
スレート屋根(コロニアル屋根)に「コケ」がはえた状態です。この写真では非常にコケがはえていますが、日当たりが悪い面でもありません。
上の写真のようにコケがはえている屋根の塗装時に「水洗い(高圧洗浄)」すると、大体、コケと一緒に屋根の表面の塗装層も取れ、スレート地が露出します。コケって結構、根が深いです。
金属製屋根
トタン屋根やガルバリウム鋼板、折半屋根などの、金属製屋根についても、状況によっては塗装が必要になります。
最後に
まず、コロニアルなどのスレート瓦、ガルバリウム鋼板などの屋根では、「塗装した方がいい派」と「塗装は必要ない派」にわかれています。塗装は必要ない派では 瓦の葺き替えやカバー工法でやり替える訳ですが、その際も太陽光パネルの脱着は必要なので余計に費用は掛かります。この記事では塗装をする前提なのでこの様に書いています。
上で書いたような問題があるのですが、「太陽光発電パネル」は広範囲ですし、廃棄するための撤去なら簡単でしょうが、以後も使用するために、「取り外しや、取り付け」などを行う場合はそれなりに高額になると思われます。では「取り外し、取り付け」など行わず塗装すれば、費用は塗装費のみですが「パネルで隠れた部分」は塗装出来ない事になります。
もちろん全てがそうではなくパネルをとりはずした際、裏面が綺麗なままの屋根もありました。では、なにが違うのか(傷む場合と傷まない場合では)、私にもわかりませんが、考えられる理由は「立地条件」なのかなぁ、と。
今回はこのへんで。