paint work’s 塗装工事に関する blog

建築塗装をはじめとした 色々な塗装工事についてのブログです

work 78 ウレタンフォームで簡易的な穴埋め補修

前置き

今回は「缶スプレー式のウレタンフォーム」を使用して、穴の開いた鉄板などの簡易的な「穴埋め」の補修を紹介したいと思います。 

ウレタンフォームの缶スプレー

まず、ウレタンフォームの缶スプレーというのは何かと言いますと、ホームセンターなどで売られている 缶スプレー式の物で、「プシュー」と吹きかけると膨らんで「モコモコな物体」になるものです。住宅などでは断熱工法として「発砲ウレタン断熱」などがありますが、そのお友達的な物になります。主に「穴埋め」や「断熱」、「結露防止」などに使用されるみたいです。 

今回使用したウレタンフォームの缶スプレー

今回使用した物はホームセンターで購入した物で、容量の少ない物(MINI)で700円前後の商品です。取り合えず、少ししか使用しない事と使い切りタイプだという事なので、一番安かったものを使用しました。

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注意点など

ウレタンフォームの缶スプレーは基本的に「一回使い切り」みたいです。

使用した時に「ノズル」のなかでウレタンフォームが固まってしまい、日数を開けて使用するのは無理みたいです。上手くノズル掃除し、保管方法もよければ再使用できるかもしれませんが、基本的には「一回使い切り」と思っておきましょう。(缶に書いてある注意書きにも一回使い切りと書いてありました)

それから使用済みの缶スプレーは捨て方にも注意してください。缶スプレーの廃棄は適正な方法でお願いします。 

使用する理由 

缶スプレー式のウレタンフォームを使用する理由としては、手軽で作業し易い点と、仕上がりが簡易的な割には良好だからです。しかしウレタンフォームだけではうまく仕上がらないので、穴埋め補修材の「パテ」も使用します。 

今までの穴埋めの補修

本来、鉄板などに穴が開いてしまっている場合などは、「交換(新品)」するのが一番いいです。その次は穴の開いた箇所を溶接するとか。

色々な事情からそのような事が出来ない場合は、「アルミテープ」などを貼ってその上から塗装などをしていました。この方法だと仕上がりがあまりよくないです。

他の穴埋めの方法として、キズや凹みなどに使用する「パテ」という、補修材があるのですが、塗りつけて使用する物なので、「突き当り」が無いと使用できません。テープを貼ったり、スチロールなどを詰める事ができれば、「突き当り」が出来て「パテ」を使用できますが、綺麗な仕上がりにするためには、手間がかかってしまいます。

同じような方法でもっと簡単手軽に出来るのが、「缶スプレー式のウレタンフォーム」を使用したやり方です。

あくまで、簡易的な補修方法ですので勘違いしてはいけない所ですが、「缶スプレー式のウレタンフォーム」を使用すると、意外と大きな穴なども補修出来てしまいます。 

補修作業の流れ 

穴の開いてしまった鉄板を補修する時の流れとして書いていきます。 

① 着工前

今回はよくある「会社事務所の入り口」の塗装を行います。塗装する箇所は「破風」、「軒天」、「窓枠」など、数か所あるのですが、「穴」の開いているのは「破風」です。

この「穴」の開いている「破風」を「缶スプレー式のウレタンフォーム」を、使用して簡易的な補修塗装を行います。

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アップ

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② ウレタンフォーム注入 

注入と言っても穴の中は空洞なので、空洞の中の全てに注入するわけにはいかないので、穴の縁に沿って裏側に注入します。最初にやりすぎると大変なので、少量を注入していきます。この時に錆をある程度落としておくのがベストなのですが、穴が広がる危険性がありますので適当に行います。

この時は諸事情により錆び落としは軽くしか行っていませんが、ウレタンフォームを注入する前段階として、錆転換塗料などを塗ってから行うといいと思います。

錆転換塗料についてはこちら 

paintwork.hatenablog.com 

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③ カットと注入 

ウレタンフォームは柔らかいのでカッターナイフなどでカット出来ます。表面からはみ出た ウレタンフォームをカットして、足りない部分へ再度注入していきます。この作業は穴の大きさなどで変わります。一回の注入で大丈夫な場合もありますし、数回行う場合もあります。 

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④ パテ埋め

ウレタンフォームで「突き当り」が作れたら、次に「パテ」を使用して本格的な「穴埋め」作業に移ります。「パテ」には色々な種類がありますが、今回は一般的な、「ポリパテ」という2液型のパテを使用しています。2液型なので割と早く乾燥しますが、後に「痩せる」という事もあります。

パテには色々な種類がありますが、基本的には厚く付けるものではないです。ひび割れや剥がれなどのトラブルも起こる場合があります。パテそのものが痩せてしまう事もあって、後のトラブルになる事もあります。あくまでも簡易的な補修材ですが、補修などにはなくてはならない物でもあります。

下の画像では「パテ」を塗りつけた状態と、汚れていた「コーキング」部分の縁から錆が出ていたので、既存のコーキングを切り取ってみると中が錆びていました。ですので、既存のコーキングは全て撤去して、中を錆び落とし、錆止め塗料を塗ってから新しくコーキングを行いました。

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既存のコーキング撤去時 

コーキングの表面は汚れているだけで、一見綺麗に見えましたが、撤去してみると 中が錆びていました。

今回はコーキングの記事ではないので簡単に説明しますと、突き当りにコーキングが引っ付いてしまわないように、錆止め塗料を塗ってから、「ボンドブレーカー」というテープを貼り、コーキングを行っています。(2面接着)元々が2面接着でしたので同じ様にコーキングを行いましたが、中が錆びているという事は屋根面からの雨漏りが考えられますので、今回は屋根面の点検は行いましたが、コーキングの3面接着は行いませんでした。

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⑤ パテ研ぎ 

パテが乾燥したらサンドペーパーで表面を平らになるように研ぎます。画像の状態は、パテ塗りつけ→サンドペーパー掛けを行った所です。まだ「穴」が確認できるので穴の部分にパテ付けを行いサンドペーパーを掛けます。

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⑥ 錆止め塗り&中塗り 

穴の補修が終了し、下塗りの「2液型変性エポキシ錆止め塗料(白)」を、全体に塗ってから、上塗りの色を「中塗り」しました。中・上塗り塗料は「弱溶剤2液型シリコン塗料」です。画像で伏せてある所は会社名ですが、一文字づつの看板なので周囲や文字の間を塗るのに時間がかかりました。

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⑦ 完了

その他の作業する場所が全て終了して完成です。帰ってから確認すると なんだか画像がボケてしまってます、残念。ウレタンフォームで補修した箇所のアップも撮り忘れてしまいました。

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最後に 

この方法はあくまでも「応急処置」的なものです。根本的な事柄を解決しなければ時間の経過と共に再発するでしょう。ですが、塗料にも寿命がありますので、次のサイクルまでの応急処置として。次の機会には どの様な工事が行われるかは、施主様しだいです。