paint work’s 塗装工事に関する blog

建築塗装をはじめとした 色々な塗装工事についてのブログです

work 82 漆喰の上に塗装はできる?

前置き

今回は「漆喰壁の上に塗装は出来るのか?」について書いてみたいと思います。いつものように長くなってしまうので結論から先に言いますと、使用できる塗料は限られていますが現在は「塗装出来ます」です。

ですが、私は漆喰壁の上に塗装するのはオススメしません。「何のために塗装するの?、どうしてオススメしないの?」などを含めて書いていきたいと思います。

塗り壁

ここでいう塗り壁とは「塗料を壁に塗る」事ではなく、左官さんが「壁材など」をコテなどを使用して仕上げる壁の事を指します。もちろん塗装屋でもコテを使用して壁材を塗る事もありますし、塗料メーカーからも意匠性材料も発売されています。

今回はその塗り壁の中でも昔から施工されている「漆喰壁」について書いていきますが、流れ的に「珪藻土」についても少しだけ書いてみます。

私は塗装屋で別職業なので塗り壁の具体的な事柄としては言える事はありませんが、左官下地の上に塗装する事は普通の事柄なので左官さんとは割と近い位置にいます。

調湿建材

漆喰や珪藻土の話の前に知識として知っておくとよい物として、「調湿建材」という建材(壁材)があります。漆喰や珪藻土の一番のイメージとしては「調湿性があるので呼吸する自然素材」というものがあげられますが、実際は調湿性について決められたJIS規格があります。

内装仕上塗材の調湿性は、「JIS A 6909」建築用仕上塗材の吸放湿性試験で規定されています 。

規格に基づくならばですが、調湿建材と謳っていいのは、吸放湿量 が「70g以上/㎡/24h」とJIS規格で定められています。

これは1㎡の面積に塗った塗り壁材(仕上げ材)が、24時間の間に70g以上の水蒸気(水分)を吸放湿する能力があるという意味になります。吸放湿性試験方法については下記の引用元に詳しく書いてあります。

薄付け仕上塗材(内装)及び厚付け仕上塗材(内装)の調湿形の品質

吸放湿性 g/㎡:吸放湿量 70 以上 

引用:kikakurui.com:JIS A 6909:2010 建築用仕上塗材

つまり、試験結果で70g以上の吸放湿量であれば「調湿建材」となります。

私は漆喰や珪藻土にその能力があるかどうかよりも、構造材や下地材、環境でガラッと状況はかわりますよと言いたいのです。

それから、塗料メーカーから発売されている塗装としての仕上材にも規格に適合した材料はあります。

漆喰壁

本題の漆喰壁ですが、 古来から使用されている物ですので私が説明するまでもなく詳しい情報はいくらでも検索すれば出てきますし、1記事で説明するには相当な量になってしまいますので、「塗装との関係性」のある事柄を書いてみます。

これは私の考えなので見当違いなのかもしれませんが、古来より漆喰が使用されてきたのは主に防火性能や防水性ではないだろうかと思っています。もちろん見た目も綺麗ですし。

多分、大昔は壁材として「板」か「土」くらいしか量産できる壁材はなかったんじゃないでしょうか。昔は消防設備などは今と比べて人力のみでしょうし火事はとても恐ろしい災害だと思います。ですので不燃材の漆喰が採用されたのではないかなと思ったり。

「板壁」などでは表面を焼いて加工し、直ぐには燃えないような(防虫なども)工夫もしてあるので「燃えない」という事はとても大事だったのではないかと私的には思ってます。現代のように工業化が進み素晴らしい材料も多くあるわけではなく、それくらいしか無かったのではないかな。って思ってます。

調湿性については、一般的に普及している漆喰の多くは、調湿建材の基準を満たしてないみたいです。ですがイメージとして昔から調湿性に優れていると思われているのではないでしょうか。その理由なども後述してみたいと思います。

漆喰主原料である水酸化カルシウムは「強アルカリ性」だそうです。強アルカリ性は、結果的にカビの発生を抑制する効果があるそうです。押入れなどで漆喰が使用されるのはカビの抑制に効果があるからだそうです。押し入れって湿気が籠りやすそうですものね。

カビの生育可能pH(ペーハー)領域は2~8.5であり、最適pH(ペーハー)は4~4.5と非常に狭い領域である。

出典:文部科学省 カビ対策マニュアル 基礎編−文部科学省

なのですが、漆喰は空気中の二酸化炭素と反応することで年々硬くなり、「水酸化カルシウムから炭酸カルシウム」になるそうです。

これは、良い事でもあり悪い事でもあります。良い事とは「自ら硬化する」事で漆喰が剥がれにくくなるという事です。(乾燥という意味ではありません。)

逆に硬くなるという事は調湿性も薄れていくという事です。硬化して炭酸カルシウムの成分が多くなれば「アルカリ性から弱アルカリ性に変化」する事になるので、カビの抑制効果も薄れてきます。

私の少ない経験の中では、「汚染されやすい(汚れやすい)」、「隙間ができやすい」、外部では「苔や藻類がつきやすい」、「クラックが入りやすい」、「ボロボロ剥げやすい」というイメージしかありません。

よく、「漆喰は自然素材なのと非常に耐久性があります。100年かけて元の石灰石に戻っていきます。」などの「売り言葉」をみかけますが、実際にはメンテナンスが必要で、メンテナンスを行うから長く維持出来るのだと思います。

メンテナンスと言いましても小さな物から塗り替えまでありまして、塗り替えに至っては、一度漆喰を剥ぎ落して塗り替えるので、もうそれは100年もつとは言えないと思います。汚れたり(カビやコケ)剥がれ落ちた所や、柱との隙間など全く気にならないのなら100年位はもつでしょう、無機質材ですので。逆に言うと、漆喰は100年くらい耐用出来るのでメンテナンスしなくてもいい。などと思っていると、とんでもない事になってしまいますよ。

ラインパウダー

ここで話が少しだけそれますが、漆喰の原料水酸化カルシウムは「消石灰」と呼ばれるそうです。消石灰と聞くと私が子供の頃に、グラウンドなどにラインを引いていた「石灰」を思い出しますが、現在は石灰は使用されていないみたいです。理由は強アルカリ性にあるみたいです。出典:ラインパウダー - Wikipedia

珪藻土

珪藻土自体は優れた調湿性能があるみたいです。

が、珪藻土はそれ自体では水を混ぜただけでは「固まらない」そうです。ですので、製品としての珪藻土には「結合材」や「混和剤」などが必要で、何を結合材としているかで能力が大きく変わるみたいです。要は接着剤が必要みたいです。

漆喰にも結合材や補強材は必要みたいですが、珪藻土とは意味合いが違うみたいです。

この接着材の多くは「漆喰」を配合したり、他の物を配合したりとメーカーによってバラつきがあるみたいです。漆喰は最初の方に書いた「自ら硬化」する特性があるので使われるのだと思いますが、製品次第では調湿性能が大きく変わるかもしれないです。

それから一般的な珪藻土は中性のため、「防カビ性が無い」そうです。そのことからも漆喰を配合したりするのかもしれませんね。色々な添加物を入れると剥がれにくい珪藻土にはなりそうですが、本来の機能は薄れていくみたいです。

詳しい珪藻土については、(出典:珪藻土 - Wikipedia

防カビ性と調湿性

屋内での塗装などだけでは無くて、屋外でも言える事なのですが、「防カビ性」は塗料でも結構重要です。特に屋内では環境によっては結露などが発生するので防カビ性は大事です。特に調湿性能のある材料は水分を吸いますので、「放出性能」が上手く働かない環境などでは「壁内部」などの目に見えない所まずい状況になりやすいです。

私の経験では「壁内部結露」が発生してまずい状況になりやすいのは、高気密高断熱の家やコンクリート躯体の建物が多いです。理由は色々ありますが、使用している断熱材の種類でも変わりやすいみたいです。結露を放置(この場合は目視出来ないのでどうしようもありません)してしまうので壁内部でカビが生えている場合もあります。

これは完全に私感ですが、高気密高断熱の家やコンクリート躯体の建物に調湿建材を塗るのはやめた方がいいと思います。コンセプトが噛みあって無いからなのですが、エアコンや除湿器、換気システムなど文明の利器を使用する事が前提の建物だからです。

下地や壁内部に調湿性があれば別ですが、止めた方がいいと思います。

昔の漆喰壁と今の漆喰壁 

昔と今での漆喰の施工の違いはズバリ、下地です。
昔の漆喰は下地の壁が土壁でした。「竹木舞(たけこまい)」といって竹を縄で編んで骨組みを作り(今でいう鉄筋みたいな役目)、ワラなどをを混ぜて発酵させた粘り気のある赤土(発酵させると粘り気がでるそうです。粘り気が出ると耐震性能も少し上がりそうですね。)を塗り、土壁の下地を作っていました。その土の発酵にも何か月も寝かせて作ります。
出来た土を下地として塗る際にも完全に乾燥させながら塗っていくので壁が出来上がるまでにはかなりの工期がかかります。工程としては、一般的な物でも「荒土塗り→中土塗り→漆喰下塗り→漆喰仕上げ塗り」となり、各工程毎での乾燥にも時間がかかります。
ですので、いい意味でも悪い意味でも現代のように、2~3ヶ月程であっという間に「家が建つ」ということはありません。少し大きな家だと、完成するまでに1年も2年もかかりました。 

下の画像は私の妻の実家なのですが、訳あって15年ほど前に建て替えている最中の画像です。建て替える前の家もこんな感じでした。この家も家だけで1年半~2年位、外構まで入れると3年以上完成までにかかっています。画像ではまだ板壁も漆喰壁も完成していないですが使用した壁材は、板壁は「檜」、メンテナンス性を考慮して土壁ではなくモルタル下地に「漆喰」です。この手の家は良い物を求めようと思えばキリがないですね。ちなみにエアコンは設置していますが、使用しているのを殆ど見た事はありません。

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現在は、そんな家の作り方をしていません。何年もかかる工期と携わる人によって完成度が変わる家よりも、工業製品の様に決められた規格で一定の品質を持つ家の建て方の方が安定しますし工期も早いです。
現在の「壁の下地」は殆どが石膏ボードです。普通に使われている石膏ボードには調湿性能はありません。新設で「調湿性のある石膏ボード」を採用していれば多少はいいのですが、普通の石膏ボードの下地が、壁の調湿性能を補ってくれるということはありません。石膏ボードの上に3~5mm厚で塗られた漆喰に昔みたいな調湿性能はありませんし、普通の石膏ボードの表面は直ぐに破けるほどの薄い「紙製」ですので、知識の無い方がDIYなどで漆喰を塗った場合、中途半端な調湿性のせいで石膏ボードが傷んだり、カビなどが発生する可能性もあります。

本来、漆喰は特別に調湿性能に優れた素材ではありませんが、機能は備えています。昔の漆喰が調湿性能が優れているとしたのは、下地が「土壁」で「セット」だったからですね。ですので現在の施工環境で漆喰を塗るのは「雰囲気」のみで、デメリットの方が多いと思います。これは漆喰とは意味合いは違いますが、「珪藻土」などの塗り壁でも同じ事が言えると思います。 

手軽な漆喰

一昔前までは、土壁ではない一般的な和風住宅の内部や団地などの内壁に「塗り壁」を採用した家が沢山ありました。もちろんクロス壁紙が普及しても和室などでは「塗り壁」は採用されてきました。この場合は本来の調湿性などよりも和室に合う美観目的だと思います。

簡易的な(手軽な)塗り壁仕上ですので、汚れやひび割れなどがおき、カビなども多くみました。酷いときには漆喰がボロボロと剥げ落ちている場合もありました。

したがって漆喰塗り直しや増し塗りなどの、メンテナンスにコストがかかるものは除外され、安易な考えで「漆喰の上に塗装」する事が行われるようになりました。私も数多くの漆喰の上に色々と塗料を塗りました。

建前としては「調湿性のある塗り壁材」ですが、下地が「ベニヤやボード」なので、見た目だけです。そのような「流れ」なので手軽に出来る(と思われている。)塗装で簡単に綺麗に済ませようとしていたのかもしれません。

最近よく聞く言葉で「リノベーション」と言うのがありますが、古くなった家や団地室内外、中古マンションの室内などを「今風」にリフォームするやり方です。リノベーション自体の考え方は好きなのですが、DIYなどで古くなったコンクリートの躯体に直接漆喰や珪藻土などを塗っているのをみると「あらら。」って思っしまうのですよね。

意味合いがわかっていないので「自然系や本物系」を塗っている所が多いですが、効果を期待してもあまり意味がないです。むしろ、中途半端に調湿性があるために、トラブルなども起きやすいです。そのような場合は構造物や下地に合わせた建材で、「漆喰調」や「珪藻土調」の材料の方がトラブルも起きないです。

下地の事や構造などを無視して変に「呼吸する」「自然素材」などを意識しすぎると、意味のない恥ずかしい結果につながります。

漆喰の上に塗れる塗料とは

第一に漆喰は「艶消し系」の物が多いので(例外もあります。磨いて光沢の有るものもあります。)塗料の艶も「艶消し系」でないと不自然になってしまします。

塗料は一般的には「アルカリ性に弱い」です。漆喰は「強(弱)アルカリ性」。この事からアルカリ性の上に塗れる塗料で「アルカリ性」の塗料が必要です。アルカリ性の壁の一例としては、

・コンクリート

モルタル

・漆喰

などが一般的には挙げられます。コンクリートモルタルなどの上には普通に塗装しますので、「耐アルカリ性」の塗料は沢山あります。

次に、漆喰は「調湿性」があるので、塗料にも「透湿性」が求められます。漆喰の調湿性に追従できる透湿性が望ましいです。塗料で膜をはってしまえば、調湿性が消えるだけで問題ないように思えますが、問題は大有りで、「裏側面」から吸った湿気を放出する際に、透湿性が無いと塗膜が膨らんで剥げてしまいます。

それから、「密着性」です。漆喰は「無機材」なので塗料の密着はよくありません。むしろ剥げやすいです。無機でわかりやすいのは「ガラスとか石とか」です。つまり、透湿性があり、無機材にも密着の良い「下塗り剤か上塗り剤」が必要です。

まとめると、

・耐アルカリ性

・透湿性

・密着性

の3点が最低でも必要になりますが、漆喰の特徴である調湿性と自ら長い年月をかけて硬化するという部分に一般の塗料では付いていけな部分があります。塗料にも柔軟性が必要なのですが、塗料もまた、漆喰のスパンとは違いますが、経年で硬くなっていきます。(弾性塗料などの柔軟性のある塗料は経年劣化でカチカチになります。)

ですので、漆喰に塗れる塗料とは「漆喰以外には無い」となるのですが、漆喰の原料と同じ原料で製品化された塗料が発売されています。(厳密には配合などは違うでしょうが。)

それ以外の塗料では全てではありませんが、各塗料メーカーに1種類づつ似たような塗料があり、最初は油性のみでしたが、最近では水性の物もあります。一般的な仕様としては油性は下地調整を行い上塗りとして2回塗り、水性の物はシーラーを下塗りとして上塗りを2回ぬりが基準的なものとなります。これらはあくまでも、「この材料くらいしか塗れそうな塗料が無い」感じなので、ノントラブルではありません。

それ以外の塗料では先ず間違いなく短期間で塗料が膨れて剥げる事になると思います。

塗装も経年劣化で当然寿命があります。その寿命内で膨れたり剥がれたりしなければ、塗装は「成功」という事になります。ですが、私は予算的にしょうがない場合を除き、塗装で済ますのはオススメしません。

漆喰の上に塗装

今回は築30年くらいの和風の住宅の「押し入れ」を塗ります。押し入れ内の天井や、棚天板などが傷んでしまったので大工さんがベニヤを張り替えました。ついでに壁部の漆喰も汚れたり剥がれたりしているので塗装する事になりました。いつもの流れです。

ここまで長々と書いてきたので塗れる塗れないではなく、塗っていく流れを紹介します。雨染み汚れなどが酷いので以前雨漏りしていたのだと思います。

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養生

最初の準備としてマスキングを行います。

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欠損

壁が欠けたり、隙間なども空いています

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パテ

パテを使用して欠けた部分を埋めていきます。画像のパテは水性の物で見た感じ紙粘土みたいです。

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この様にパテを置いていき、

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横にサーっとヘラで埋めていきます、水性のパテは痩せやすいのでパテつけは2回行いました。画像は1回目です。

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サンディング

サンドペーパーで全体的にサンディングしました。漆喰壁は染み込んだ酷い汚れではない場合は、消しゴムやサンドペーパーで擦ると汚れが落ちたりします。

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隙間

漆喰に限らず塗り壁の場合は経年とともに、大なり小なり木部との取り合いで「隙間」が出来ます。このまま塗装しても塗料では隙間が埋まりません。

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隙間埋め

隙間埋めは隙間自体が小さな物なので水性のボンドコークを使用します。隙間が大きければ変性シリコンなどのコーキングを使用します。本来ならマスキングの前に隙間埋めを行いコークが乾燥してから再マスキングを行うのが望ましいのですが、今回はコークの乾燥をまって他の作業を行いました。マスキングを行ったテープにコークが沢山付いてしまうとテープをはがす際にコークが引っ付いて来るのでテープ際は綺麗にコークを拭いとるように行います。

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下準備完了

かなり画像がぼやけていますが、下準備は完了です。今回は油性の塗料を塗るのでシーラーは塗りません。(程度によりますが。)上塗りを2回塗りして完了予定です。

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上塗り1回目

画像の左半分を塗りました(1回目)。私は右利きなので本来は右側から塗らなくてはいけません。右利きの人は右側から、左利きの人は左側から塗るのが基本です。

私はと言いますと年のせいか右肩が痛くてw。なので左手で塗っているので左側からとなっています。

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完成

2回目を塗って養生(マスキング)等をはがし、付近を軽く掃除して完成です。

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上の方でパテで穴埋めした箇所です。まだ完全に乾燥していない状態なので薄っすらとわかる感じですが完全に乾燥すればわからなくなります。

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最後に 

漆喰の上に塗装しても塗装が直ぐに剥げるというイメージが広まっていると思います。実際にその通りなのですが、大多数の場合それは「AEP」もしくは「EP」という水性艶消し塗料を塗っている事が多いからなんですね。

「AEP」は「アクリルエマルジョンペイント」、

「EP」は「(合成樹脂)エマルジョンペイント」、

の略称です。どちらも合成樹脂を使用した水性艶消し塗料です。

これらの塗料はとても使い勝手のいい塗料でコストも安いです。内部用、内外部用などあり、色々な場所で使用されています。仕上がりも艶消しで見た目もいいです。

ですが、使いやすい反面デリケートな面もあり、下地や下地材が合わないと直ぐに剥げます。密着性という面ではあまり期待できない塗料なんですね。ですので漆喰の上に塗った場合は「短期間ですぐに剥げて」しまいます。

漆喰に塗装しても直ぐに剥げるというイメージは多分、ここからきています。

今回使用した塗料は油性の物で性質や機能なども全く違うのですが、見た目(仕上がり)はEPを塗った物とほどんど変わりません。ですので素人の方などは勘違いされるのだと思います。もちろん今回使用した塗料だと「剥げないか?」と言われれば、正直わかりません。環境や状況がよければ剥がれませんし、剥がれる場合もあります。

つまり、AEPやEPを塗るよりも漆喰の性質に合っている塗料だけど、何とも言えないという事になります。漆喰と同じ原料を使用した漆喰塗料についてはメーカーが漆喰に塗れる塗料と謳っているので大丈夫だと思います。

本格的な漆喰壁なら塗装は行わない方がいいですし(漆喰の塗り直し)、雰囲気を重視したちょっとした漆喰仕上の塗り替えなら塗装でもいいと思います。

続きはこちら 

paintwork.hatenablog.com今回はこの辺で。