work91 DIY100均のアンティーク木箱をアメリカンレトロ風に塗装してみました。
前置き
今回は、100均の「木製ふた付ボックス(アンティーク)」という、木箱を簡単に出来る方法でレトロ風に塗装してみました。
アンティークやレトロなどと言うと、年代物や古い物をイメージさせますが、塗装において古い物を再現する方法として「エイジング」という技法があります。
エイジングに関しては専門で行っている方もいらっしゃいますし、私の専門ではありませんが、塗装屋の視点からいうと完成した物(塗装)に関しては、塗装としての耐久性が必要だと思っています。
飾り物(触る事の無い)物ならば問題ありませんが、普段使用する目的の物であればいかに完成度が高くても塗装としての耐久性が無ければ意味がないという考え方です。
綺麗に塗られた物が年月を経て古くなるのは「味」がでてきます(個人的趣味なので何とも言えませんが)が、最初から古く見せるようにした物が普段使いで塗装が剥げたりした場合は、古いではなく汚くなってしまいます。
DIYですので、それらを専門的な知識や技術など必要なく誰でも簡単に出来る方法で行いたいと思います。
- 前置き
- エイジング塗装
- 題材
- 準備
- 着色
- ニトリル手袋
- 着色完了
- 水性ウレタンクリヤー(半ツヤ)塗り
- 水性ウレタンクリヤー刷毛塗り
- ヤスリがけ
- 一旦完了
- 100均の転写シール
- キズ入れ
- 仕上げ塗り
- 完成
- 最後に
- 使用した材料や道具
エイジング塗装
上でも少し触れましたが、新しい物を古く見せる塗装の技法です。色々な方法や材料などがあり、アイデア次第で表現方法も色々で、専門的に行っている方もいらっしゃるようです。
私の場合は、普通の塗装屋ですのでどんな物でも塗装した物に塗装としての耐久性が無いと違和感が残ります。ですので、使用していると直ぐに塗装が剥げたり汚れたりしてしまうのはNGです。
よくDIYペイントなどで紹介されている塗料は使用した事はありませんのでわかりませんが、最近ではDIY用に簡単に古く見せる事の出来る塗料や健康面にも安心な塗料も販売されているみたいですのでそれらを使用するのもありだとは思います。
今回も複雑な事や技術的な事は全く必要のない「基本的な事」だけで塗装を行ってみたいと思います。
誰でも出来る簡単なエイジング塗装
paintwork.hatenablog.compaintwork.hatenablog.com
題材
今回塗装するのは「100均で購入した木箱」です。無塗装品だったのとプリントされた柄があまり好みではなかったので、塗装してみる事にしました。木に塗装する方法は沢山ありますが、「アンティーク」とありましたので少し古めかしい感じで塗装してみようと思います。
底面
準備
先ずは、塗装を行いやすいように金具を外して2個のパーツにしました。
全体を「#180」の紙ヤスリでヤスリがけしましたが、この時に蓋のプリント柄を削り落とし、「所々過度に削って」下地のベニヤを出したりしました。
蓋の天板に関しては「ベニヤに単板(たんぱん・薄い木の皮)」を貼った物でしたので、わざとヤスリがけでベニヤ下地を出しました。
その後に「#320」の紙ヤスリで全体をヤスリがけして表面をならしました。
下地を出した部分は画像ではわかりにくいですが、着色するとわかるようになります。
着色
今回は「茶色系」で木に着色しました。着色とは「木に色を染み込ませる」方法で、私の過去記事などにある「染色」とは違いますが、簡単に言えば「ステイン」です。
ステインについては簡単にではありますが、過去記事で紹介しています。
私は「業務用の着色剤」を使用していますが、色付けだけが目的なので「100均の絵の具」でも構いません。
色を刷毛や筆などで塗りつけてから、ウエス(タオル)で拭き上げて着色は完了です。
拭き取り用のウエスは今回タオルを使用していますが、色落ちのしないウエスなら何でもいいです。(極端な話、ティッシュペーパーでもいいです)
ちょっと進んだ方法としては、ただ拭き上げるだけではなく、タオルについた着色剤で色のバランスを見ながら、色を付けたり拭いたりするといいと思います。
茶色系の色を作る時は、
明るい茶色の場合は「赤と黄を半々くらいに混ぜてから少しづつ黒を入れる」と作れます。
濃いこげ茶のような茶色の場合は「黒と赤を半々くらいに混ぜてから少しづつ黄を入れる」といいかと思います。
出来た色に対して各色の配合を調整しなければいけないのと、「白」を加える時は入れすぎに注意してください。
ニトリル手袋
着色剤などを塗る時は拭き取り作業なども行う場合があるので、「軍手」よりも「ニトリル手袋」があると手が汚れずに便利です。私が使用している物は「食品衛生法」にも適合していますので「調理」にも使える物ですが、工業用タイプのニトリル手袋(メカニックグローブ)は食品衛生法には適合していませんが、溶剤にもかなり耐性のある物もあります。
着色完了
着色してしっかり乾燥させました。しっかりと言っても室内作業なので30分も放置していれば乾燥します。
水性ウレタンクリヤー(半ツヤ)塗り
私のDIY記事にちょくちょく出てくる、水性ウレタンクリヤーの「半ツヤ」版です。
今回はあまり「艶」を出したくなかったので半ツヤを選びました。
本来は「サンディングシーラー」という、「下塗り・中塗り」に使用する材料があります。サンディングシーラーを使用すると少ない回数で、木の素地が塗料を吸い込むのを止める効果があるのと塗膜の厚みが付くのでヤスリがけし易い材料です。
上塗りとの塗料の密着を高める効果もあるので是非とも使用したい所ですが、私の在庫切れでしたので今回は水性ウレタンクリヤーのみで作業を進めます。
水性ウレタンクリヤー刷毛塗り
先ずは、ホームセンターで150円で購入した刷毛で水性ウレタンクリヤーを1回塗りました。吹付などで塗ると「塗面が綺麗になりすぎる」ので、手作り感を出すためにあえて刷毛でラフな塗り方を意識しました。
私が使用している水性ウレタンクリヤーは牛乳みたいな「乳白色」をしていますが、乾燥すると透明になります。この辺は「木工用ボンド」みたいな感じです。
ですが、塗りすぎて「塗料がタレ」たり、「塗料が溜まった」りすると、「乳白色」のまま固まってしまう事もありますので、根気よく薄く塗って「一度に厚く塗らない」事が大事になってきます。(硬化不良の原因にもなります)
今回はこの塗料を「水」で希釈していますが、希釈率としては塗料の吸い込みを考慮して最初の数回は「無希釈」、塗料の吸い込みが止まってからは「塗料6:水4」くらいに薄めて使用しています。
ヤスリがけ
クリヤーを1回塗る毎に、「#320」の紙ヤスリで軽く研磨しました。
サンディングシーラーを使用すればサンディングシーラーを2~3回塗り、研磨すれば水性ウレタンクリヤーを塗る準備が出来るのですが、無いので5~6回塗っては研磨を繰り返しました。
画像ではスポンジペーパーも写っていますが、スポンジペーパーもあると便利です。
一旦完了
塗装のみで終了の場合はよく乾燥させて金具を元通りに取り付けて終了になります。
100均の転写シール
今回は「アメリカンレトロ」を少しイメージして塗装を行うので、100均で木箱を購入した時にそれっぽい感じの「転写シール」を購入しておきました。
この転写シールを貼って雰囲気をだしてみようと思います。この転写シールは貼りたい部分にあてがい、付属の棒(アイスの棒みたいな)で上から擦って貼り付ける物です。
転写シールを貼るだけでもOKですが、今回はひと手間かけて完成度を上げようと思います。
キズ入れ
「古い感じ」を出すために、貼り付けたシールを適当に付属の棒でキズを付けて所々剥いでみました。
転写シールは厚みが薄いのですが、薄いといっても「シール」ですので、貼り付けるとシールの「厚み」が気になったり、「塗装部の艶とシールの艶」が違うのでいかにも「シールを貼りつけた感」が出てしまいます。
そこで、今回は転写シールを貼りつけた上から水性ウレタンクリヤーを塗っていき、研磨を行い、表面を均一化(均一と言っても今回はラフな感じなので適当です)して自然な感じを出したいと思います。
水性ウレタンクリヤー塗り→研磨。を複数回繰り返して「塗装とシールの段差」を無くしていきます。
仕上げ塗り
今までは、「塗り→研磨」と研磨作業がありましたので、塗料の中の小さなゴミやカスなども気にする必要はあまりなかったのですが、最後の仕上げ塗りという事で塗料を「濾して(こす・ろか)」使用します。
塗料を濾すのには「塗料用ストレーナー」という専用の濾過紙があるのですが、捨ててしまうような「ストッキング」でも代用できます。
画像はコーヒーフィルターを使用していますが、コーヒーフィルターは塗料を濾過するには向いていないです。
完成
仕上げ塗りが完了したので、完全に塗料が乾燥してから外した金具を取り付けて完成です。
ホームセンターなどで別途金具をなどを購入して取り付けてみるのも面白いかもしれません。
最後に
今回は箱の中は何も行っていませんが、塗料やオイルなどを塗ってもいいですし、布を張り付けたり仕切りなどを作ったりしても面白いかもしれませんね。
使用した材料や道具
道具
新聞紙 : 適当
小さな+ドライバー : 1本
紙ヤスリ#180 : 4分の1枚
紙ヤスリ#320 : 4分の1枚
刷毛 : 1本
紙コップ : 適当個
拭取り用ウエス(タオル): 適当
塗料濾過アイテム : 適当
材料
水性ウレタンクリヤー(半ツヤ): 適量
転写シール : 適当
着色剤(絵の具でも可) : 適当
今回はこの辺で。(do it yourself)