work105 漆喰の上に塗装はできる?その②
前置き
以前、漆喰壁(しっくいかべ)の上に塗装は出来るのかについて記事を書きました。
今回はその続きとして漆喰壁の上に塗装を行っていく様子を書いてみます。
今回の漆喰壁
今回塗装する漆喰壁は以前の記事で書いた「聚楽壁(じゅらくかべ)の上に塗装」の記事内の家の内壁です。
塗装前
塗装前の壁の状況としては画像の通りですが、天井部はかなり傷んでいたので大工さんがベニヤを張り「板柄」のクロス貼り仕上げになります。(天井板張替えよりも低コスト)
塗装仕上げを行うのも左官さんが漆喰を塗り直すよりも塗装の方が低コストなので塗装仕上げになりました。(この家は内部、外部共に全体的にリフォーム工事を行うので予算的に。)
押し入れ
部屋の壁は汚れや日焼けなどがありますが漆喰が剥がれたりはしていません。経年による隙間(柱や木部との取り合い)や細かいヘアークラックなどはあります。
押し入れ内はキズや凹み、漆喰が剥がれたりしています。押し入れ内は収納する物によって当たったり擦ったりするので壁にキズが入ったり剥がれたりするのはしょうがないのかもしれませんね。
貼ってあったクラフトテープを剥がすとこの様になっていました、以前の記事の下地とは違い土壁です。
壁補修
このままでは塗装出来ないので剥がれた(崩れた)漆喰壁を補修します。
補修にはパテという凹みを埋めるための材料を使用しますが、凹み具合で1回~数回塗りつけます。今回使用するパテは以前の記事でも使用した水性のパテを使用します(画像は使い回し)
このパテは内装用の物ですが塗りやすいので初心者の方でもある程度は上手く塗る事が出来ると思います。紙ヤスリでのサンディングも行いやすいです。
画像のパテ(ミラクルONE: 関西パテ化工株式会社 )の商品リンクが無かったのでミラクルワンを使用する以前に私が使用していたパテ、「フラットワン」のリンクを載せます。正直な所どちらの物でも大丈夫です。
私の場合ですが、土壁にパテを行う時は霧吹きなどで水を吹きかけて土表面を湿らせます。(この為に水性のパテを使用してます)
そのままパテを塗りつけると土の表面がポロポロと落ちてパテとの密着がよくないです。パテ塗りつけの画像は撮り忘れてしまいました。(私の場合)
養生(マスキング)
木部や柱、床面など塗装する面以外は養生(マスキング)を行います。画像では柱などにマスキングテープ一枚分しか貼っていませんが、塗料で汚してしまう可能性があるので養生紙やビニールなどで完全に隠した方がいいですね。
この家の場合床面(畳)にブルーシートを敷いていますが、柱や窓枠などの木部を洗剤で掃除しているのでブルーシートを使用しています。いつもは床面用の養生ビニールを敷きます。養生ビニールの場合は塗装作業が終われば丸めてポイなので。(私の場合)
隙間埋め
和風の壁は年月が経つと木部(柱や枠など)と壁の間に大なり小なり隙間が出来ます。塗料ではこの隙間が埋まらないのでコークボンドなどで隙間を埋めてから塗装を行います。隙間が大きい場合は変性シリコンなどのコーキングを使用して隙間を埋めます。
画像のコークボンドは私が使用している物です。同じコークボンドではありますが、ジョイントコークなどの内装用(クロス剥離防止)とは違います。画像では2つ写っていますが下が以前の物、上が最近新しく改良されたものです。以前の物は中身がとても硬く両手を使ってもかなり力強く握らないと中身が出にくかったのですが、改良後は片手でも出るようになりました。ノズルにネジ式のキャップも付きましたので以前よりも使いやすくなりました。
画像では改良前の方は未使用なのですが、硬くて使いたくないので未使用状態です。
内容物が硬いのは充填効果が高いともいえるのですが使用感としてはちょっと。
上塗り一回目
以前の記事では油性の塗料を塗りましたが、今回は水性の塗料を塗ります。(普通のAEPやEP塗料ではありません、正確には同系統の物ですが)
水性の場合は少し密着の面で問題が起きる場合があるのでシーラーという下塗り材を塗る事が必要になる場合が多いですが、漆喰にシーラーを塗るのも色々と問題があるので清掃してから軽く紙ヤスリを全体に当てて目粗し(めあらし)しています。
広い面などではローラーに継柄(長柄)を付けて塗っています。
完成
2回上塗りを塗って完了です。塗装前と塗装後の画像で見比べてみたいと思います。
塗装前
塗装後
塗装前
塗装後
塗装前(押し入れ)
塗装後(押し入れ)
隣の部屋も
最後に
今回は室内の漆喰壁の上に塗装を行う手順をさっと記事にしましたが、細かい所までは書いていませんし、どの記事でもそうなのですがどうやって塗るのかなどの技術的な事柄も省いています。ですので作業の流れと結果が主な内容になります。
不定期なのと思い付きでブログを書いているのでいつになるかわかりませんが、記事をみてDIYなどで塗装を行ってみたい方向けにも記事を書いてみたいと思います。
今回はこの辺で。