work108 屋根の塗装 コロニアル(スレート屋根)の塗装
最初に
今回はコロニアル(スレート屋根)の塗装について書きます。
以前に書いた記事と併せて読んで頂くとコロニアル(スレート屋根)の塗装がより理解出来るのではないかと思います。
コロニアルは一商品名ですがスレート屋根の呼称がコロニアルで一般的にも広まっていますのでここではスレート屋根材の総称としてコロニアルと呼びます。
塗装前
塗装前の画像です。画像でも見て取れますが苔(藻)が凄く、屋根の勾配がきついです。そのため屋根足場と呼ばれる屋根を塗るための足場も掛けられています。(と、いっても横棒1本が縦に3本ですが)コロニアルは2F部のみで1Fの屋根は陶器瓦です。
ここの現場は外壁や付帯塗装など全体的に塗装するのですが、屋根がこのままだと美観的にもよくないので塗装することになりました。(劣化も進んでいます)
この屋根は切妻屋根ですが、反対側の屋根もこんな感じです。
高圧洗浄
屋根や外壁などの塗装は高圧洗浄から始める事になります。コケや藻などは根深く食い込んでいて、コケや藻などを洗い流すとこの様にほとんどの場合がコロニアルの塗装層まで剥がれてしまいます。
乾燥
高圧洗浄後はよく乾燥させなければならないです。スレート屋根の場合は重なっている中に水分が残っている場合があるので季節によって乾燥する時間も変わってきます。
塗料
私の場合は既に水性塗料を塗っている場合や、溶剤系塗料で問題が起きそうな場合以外は溶剤系の塗料を使用します。理由は上のリンク記事に書いています。
塗料に指定などがなければ基本的には信頼している塗料メーカーの屋根用の2液型弱溶剤シリコン塗料を使用しています。
私の場合は、一般の戸建住宅などでは「遮熱塗料」は使用しません。理由は値段が上がるほどの効果が感じられないからです。もちろん、屋根裏などが無い倉庫や車庫などの屋根などには効果が感じられると思います。後は梁見せ天井など屋根裏スペースがほとんどなくなる場合など。
遮熱塗料についての私の見解は下の記事に書いています。
塗装工程
屋根材が乾燥したので塗装作業に入りますが、工程としては「シーラー塗布」「中塗り(上塗り1回目)」「上塗り(上塗り2回目)」の3工程になります。
また、タスペーサーなどの縁切り部材は使用しません。
役物の棟板金やケラバ板金などは錆転換塗料(錆止め)を塗ってから別の色(お客様指定)で仕上げます。
シーラー塗布
最初の「シーラー塗布」ですが、「2液型の浸透性シーラー」 を使用します。塗料が垂れるまでとはいきませんが塗装が剥げた基材に浸透させるためにたっぷりと塗ります。
中塗り(上塗り1回目)
今回は中塗りを塗る前に役物の棟板金やケラバ板金などの浮いた釘の戻し打ちやケレン作業をした後に錆転換塗料(錆止め)を塗っています(シルバー色)。上の画像(茶色)と比べるとわかると思います。
屋根の上塗り(2回目)がきちんと乾いたら棟板金やケラバ板金などのトタン部の上塗りを2回行い屋根の塗装は完了になります。
1Fの屋根は陶器瓦なので塗りませんが、色味を合わせるためにこの色を塗っています。
棟板金やケラバ板金は錆転換塗料(錆止め)を塗っています(シルバー色)。
上塗り(上塗り2回目)
中塗りの乾燥時間をきちんととってから上塗りをして完了になります。
それにしても時間帯や方角などによっても色味が変わりますね。
縁切り
画像を見ればわかると思いますが、溶剤系の塗料で塗装すると殆ど隙間を塗料で潰す事はありません。ですのでチェックはしますが、基本的には縁切り作業を行う必要はないです。
最後に
コロニアル(スレート屋根)の塗装に関しては、過去のの記事(上のリンク記事)で「塗らない方がいい派」と「塗った方がいい派」などに分けて私の私見を書きましたが、分けて考えるよりも「状況による」でいいのではないでしょうか。家の劣化などは地域や環境によってかわりますし。予算などもありますし、美観の問題などもあります。
その時々でいろんな選択肢があるといいのではと思います。