paint work’s 塗装工事に関する blog

建築塗装をはじめとした 色々な塗装工事についてのブログです

work56 木製テーブルの塗装 オイルフィニッシュ

オイルフィニッシュとは

前回は 木製テーブルの塗装で クリヤー塗装の紹介をしました。 paintwork.hatenablog.com

今回は 木製テーブルの塗装で「オイルフィニッシュ」を紹介したいと思います。

 

オイルフィニッシュとは基本的には塗料ではなく、「油(オイル)」を素材(木)に染み込ませて仕上げる方法です。オイルで仕上げるのでオイルフィニッシュです、そのまんまです。

作業方法も簡単で木製の製品に刷毛などで塗り込み 塗りっぱなし仕上げや、ウエスなどの布で表面を拭き取って仕上げたりします。オイルのみで仕上げる場合もありますし、その上からワックスなどを塗って仕上げる場合もあります。

作業の流れ

作業前のテーブルです。サンドペーパー掛けなど下処理は終了しています。 

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◎オイルを塗布しているところです、作業しているのは私ではありません。

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色味などもオイルのカラーを使用したり、後から色付きワックスなどを塗る方法もありますし、最初に着色ステインなどで着色してから仕上げたりも出来ます。

オイルフィニッシュの特徴 

塗料とは違いオイルで仕上げるので 独特の風合いがあり、アンティーク調の家具やテーブルなどの木製品に用いられる事があります。私が昔行った工事では、お風呂場の壁を檜の板でつくり、その板壁をオイルフィニッシュで仕上げた事もあります。また作業のしやすさからDIYなどに使用される事も多いような気がします。(そのような紹介ページも多いので)

難点としては、塗料ではなくオイルの為、長くは維持出来ません。定期的に 塗り直しが必要になります。それから 基本的には塗膜をつくらないので、木の素地に傷などがつきやすいです。テーブルなどで メモなどを下敷きなしにボールペンなどで書いてしまうとやわらかい素地の場合はそのままメモの傷など入ってしまいます。

オイルフィニッシュの材料

オイルフィニッシュの材料で有名なのは、北三株式会社の「ワトコオイルWATCO)」でしょうか。DIYのページなどでもよく紹介されています。

ワトコオイルをネットで検索すると大体が植物の由来成分「亜麻仁オイル」を使用しており、シックハウス症候群の原因ともされるホルムアルデヒドトルエン、キシレン等を原材料に含まないので、内装木材や床に安心して塗装が出来ると、いう風に各ページで紹介されています。

作業上の注意点

近年では室内で使用する材料(塗料なども) は シックハウス対応型が当たり前なので、内部用と表記された材料ならば、どれも(塗料なども)大丈夫なのですが、ここで注意しなければならない事があります。

プロならば当然知っていることなのですが、素人の方が DIY などでワトコオイルなどのオイルを使用する場合、「作業時も安全」だと勘違いする事です。

北三株式会社のワトコHP 使用上の注意というページにて、

www.hoxan.co.jp

参考元:北三株式会社

 

ハッキリと、 

「ワトコ製品の取り扱いの際は、下記の注意事項を必ず守ってください。」

・引火性の液体です。

有機溶剤中毒の恐れがあります。

 参考元:北三株式会社


と、記載されています。このHPには製品紹介から使い方、使用上の注意まで動画なども交えて紹介していますのでDIYなどをワトコオイルで挑戦したい方は一通り目を通しておいた方がいいと思います。

つまり、「作業中」は 保護マスクや手袋など、何らかの対策をしなければいけないって事です。個人差があるので 人によっては大丈夫な人もいますが、全ての人が大丈夫なわけではありません。

それからもう一つ注意点があります。

オイルフィニッシュでもそうですが、自然系の塗料でもみられる「植物系由来のオイル使用の材料」は材料を拭き取りした「エス」が「自然発火」する可能性があります。この注意点は各材料メーカーHPにはキチンと記載されているので使用の際は必ず確認した方がいいです。

この事の確認の為に、私も夏場に オイル拭き取りに使用したウエスを炎天下に放置した所、ウエスが黒焦げになっているのを確認したことがあります。積み重ねて放置するととっても危険みたいですね。ウエスだけではなく 作業時に使用した刷毛や手袋などの道具類にも注意したい所です。

と、注意点がなんだか危ない感じですが、注意点をきちんと守りさえすれば、作業も簡単でDIY向きの材料だと思います。

作業完了

エスで拭き上げて作業完了です。

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最後に豆知識 

これは人から聞いた話で私は行った事はないのですが、スーパーなどで販売されている「食用油」でもオイルフィニッシュが出来るそうです。

油には「乾性」「半乾性」「不乾性」という種類があるそうです。「半乾性」「不乾性」は乾かないので油がベタベタして無理そうですが、「乾性」の油だといいそうです。

乾性油だと、亜麻仁油、えごま油、紫蘇油、紅花油などがあるそうで、「亜麻仁油」、「えごま油」はスーパーなどでも手に入りやすいそうです。

ワトコオイルも原料に亜麻仁油を使用していると記載されいるので、なるほどなぁって思いました。ですが、やはり作業に使用したウエス自然発火するみたいです。私はこのような事は行った事はありませんが、豆知識として。

 

今回はこの辺で。