work16 木の塗装と新建材の関係その①
木の塗装と新建材の関係
今回から住宅に使われてる木の塗装と新建材について書こうと思います。
木という素材は建築材だけではなく、色々な物に使われていますので、塗装の施工法もさまざまに感じますが、「仕上げ」的には大まかに分けて「2種類」しかありません。
・木目を見えなくしてしまう方法(塗りつぶし)
・木目を見えるようにする方法(木目活かし)
大まかな仕上げは2種類ですが、「仕上げる方法」は施工法や塗料により、さまざまな「仕上げ方」があります。ですので一口に「木」の塗装といっても一回で書ききれないのでまたまた数回に分けて書いて行きたいと思います。
今回は「木の塗装」からは少し離れる話ですが、必要な事なので前置きとして塗装的観点から「新建材」について少し書いてみようと思います。
「新建材」が何なのかは、検索していただくとして、さまざまな物があります。今回は塗装的観点から家の内外で「目に付く物」を取り上げてみます。
まずは、一般の住宅で木を使う(塗装する)場所としての区分けでは、
・建物の外部:破風 ・ 窓枠 ・ 小庇 ・ 桁 ・ 壁(※板壁) ・ その他。
・建物の内部:窓枠 ・ 廻り縁 ・ 幅木 ・ 階段 ・ 床 ・ その他。
などがありました。(各部位について分からない時は検索お願いします)
ですが、近年ではハウスメーカーをはじめ、工務店などが建てる新築ではほとんどが「木」を塗るような箇所(部材)は無くなってしまいました。(もちろん例外もあります)
建物の外部の「木」使用だった部材の変化
・破風:木→サイディングボードなどのボード類
・窓枠:木→無し(昔はサッシ窓の外側に木枠が有りましたが今は無し)
・小庇:木→小庇の破風部分は木でした。現在は小庇自体付いていない家が多いです。
・桁 :木→現在は露出しない施工や屋根の形状
・壁(板壁)→ ※
※板壁に関しては純和風の家の焼き杉、もしくは木質サイディング、また、ピーリング(羽目板)という、外壁に無垢板を張る工法もあり、これら板壁を塗装することはあります。 もちろん、今でも高級で木材をふんだんに使用した家もありますが、一般的ではないのでそういうのは後回しにしたいと思います。
現在では、建物外部の目に見える所は「木」の部材は殆どなくなり、建物内部での 窓枠 ・ 廻り縁 ・ 幅木 ・ ※階段 ・ 床 などは、そのほとんどが「新建材」に「取って代わられた」状態です。
※階段の天板やカウンターの天板などに使われる「集成材」も新建材ですが、「集成材」などは塗装する場合もあります。張り物(シートを張った物)の天板では 塗装はしません。なので新築などでは、塗装する場所がほとんどありません。
あえて挙げるなら、「軒裏(ケイカル板)」、「破風(無塗装サイディング)」くらいでしょうか。
他だと、大工さんが各部位に合わせて作った木製部材などを、新建材の色に合わせて塗装するくらいです。その「軒裏」、「破風」なども塗装済み製品などありますので、新築時に全く塗装工事が必要ない家もあります。(外壁も化粧サイディングなので塗装はありません)
そういう事情から、塗装業者は必然的に「リフォーム(塗り替え)」などに力を入れている場合が多いです。(リフォームに力を入れるのはそれだけの事情ではないですが)
新建材の利点
新建材に取って代わられた理由はさまざまありますが、「塗装的観点」からみると、建物内部で使用する新建材は、かなり「完成度が高い」です。(あくまで私感ですが)
全ての色や柄が均一化できますし、工業製品なので耐久性などもあります。ですからパッと見も良いし、本物の木と比べても年数経過などによる色焼けなどもあまりありません。
もちろん、質の高い材料を使い、技術・知識のある大工さんの木の加工や組み付け、
建具などでは建具屋さんの技術、それに答えるような塗装屋の技術・知識が揃えば、仕上がりは「新建材」なんかには負けません。(この辺に関しては費用の問題もあるので難しい話しでもあるのですが)
ですが、昨今の「スピード施工」、「価格競争」などの、色々な「大人の事情」から「新建材」が使われるのは仕方のない事なのかもしれません。
それに本物の木を使うと言う事は作業者の技術の質もかなり問われる仕事になります。
こだわりをもって、新建材を使わずに「木」を使っていても仕上がりが良くなければ「新建材」の方がましです。そういう難度の高い仕事が出来る作業者はハッキリ言って少ないです。
次回は新建材を画像で紹介したいと思います。
続きは
今回はこの辺で。