work 21 木の塗装編 染色その② 染色目はじき
染色目はじき塗装
前回では木塗装の施工法、染色について書きましたが、
今回は前回とは違う染色法、
「染色目はじき塗装」について書いてみようと思います。
本来の「目はじき塗装」という仕上げは、木目が深い(木目の導管が深い)木材に使われる言葉で1色での塗装時に、塗りつぶしにならない程度(木目が消えない)の塗装の事で、オープンポアー仕上げとも呼ばれています。
今回紹介する、「染色目はじき塗装」はあまり見かける事はないのですが、木目が深い(木目の導管が深い)木や突き板などに使用出来る、「2色を使う染色法」です。
色の組み合わせはある程度は自由に出来ます。簡単にいうと、表面(平らな面)と、木目の導管(筋が深い)部分を色分けするという事です。
やり方
言葉の説明だけでは分かりにくいので、今回も、現場で廃棄する端材、(今回は突き板です。建具の表面に使われていました)で、サンプルを作ってみたいと思います。
①
建具の表面に使われていた突き板(ベニヤに木の皮を張った物)です。廃棄する建具でしたので突き板部分を切り取ってもらいました。
今回はこの板に「目はじき染色」をやってみたいと思います。今回はサンプルとして分かりやすいように、「黒」と「赤」で仕上げようと思います。
まずは軽くペーパーがけをします。
②
今回は「サンプル」としてわかりやすい色で塗り分けを行いたいと思います。ベース部分を「黒」、目の深い部分を「赤」で塗り分けます。
まずはベース色になる「黒」を塗ります。あまりたっぷりと塗ると、「目の深い部分が塗料で埋まってしまう」為、程ほどに塗ります。(一般的な目はじき塗装です、オープンポアーとも呼ばれます)
表面が乾いたらサンディングシーラーを捨て塗りし、軽くペーパーをかけます。理由は、次の工程で黒の部分に赤色が付いても拭き取りやすくするためです。
③
砥之粉(とのこ)です。ホームセンターでも売っています。(前回の使いまわしです)
④
器に分け、水を含ませると柔らかくなります。(これも前回の使いまわしです)
⑤
やわらかくなった砥之粉(とのこ)と、調色した着色材を混ぜ、上から塗りこみます。
⑥
塗り込んだらすばやくウエスで拭き取りにかかります。拭き取る時に木目の導管(筋が深い)部分に入り込んだ砥之粉(とのこ)を、拭き取ってしまわないように拭き取っていきます。
⑦
砥之粉(とのこ)が乾いたらサンディングシーラーを吹き付けします。刷毛で塗ると砥之粉(とのこ)が取れてしまう可能性があるので吹き付けです。サンディングシーラーを塗ったので少し赤味が濃くなったかと思います。
この後「ペーパーかけ → サンディングシーラー → ペーパーかけ」と、下地が出来るまで繰り返します。
⑧
最後に半つやのクリヤー(半つやがすきなのです。)を、吹き付けして完了です(刷毛塗りでもOKです)
と、別に大した技術でもないのですが、このような染色方法もあります。
つづきは、
今回はこのへんで。