paint work’s 塗装工事に関する blog

建築塗装をはじめとした 色々な塗装工事についてのブログです

work45 DIY かんたんなエイジング塗装 錆塗装

前置き

以前、エイジング塗装について 「研ぎ出し」というやり方を書きました。

paintwork.hatenablog.com 

今回は エイジング塗装の1つである「サビ塗装」について書いてみたいと思います。

  

先日、とても仲のいい同業者から、LINEで一枚の写真が送られてきました。元は店舗や内装関係、家具などの塗装をしていましたが、現在は家具専門でやっている方です。私と同世代(彼の方が年上ですが)で、釣り仲間でもあります。

「コーヒー缶を仕事の合間に遊びで塗ってみた。」そうです。

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錆塗装

エイジングという性質上、「時間経過」や「経年劣化」などを表現する上で、「錆」と言うのはとても使いやすい(手っ取り早い)「題材」なんですね。ですので、色々なやり方がありますが、「今回も」、誰にでも出来るやり方を紹介したいと思います。

私が常日頃からいつも不満に思うのは、調べたい事をネットで検索したり、how-to などで紹介している物の殆どが、「専用の道具」や「一般的な材料ではない」などを揃えなくてはならない物が多く、その記事で紹介している「物」を使わないといけない(出来ない)様な書き方。エイジング塗装に関しても当てはまります。

DIYでちょっとやってみたいな。と思っても、聞いた事もないような塗料を紹介して、これを使えば簡単にできます。みたいな。

道具や材料を売る為にそのような記事になってしまうのは理解できるのですが、プロならともかく、素人の方が「ちょっとやってみたいな。」って思った時に、「自分から敷居を高くしてどうするんだ?」と、いつも思っています。

上の写真のコーヒー缶のエイジング法は、プロとしての道具や材料などを使用しています。また、プロなので当然、道具や材料をあつかう知識や技術もあります。

ですので今回私が紹介する方法とは「道具も材料」も違います。ですが、基本的には「同じ」です。

と、少々おおげさに書いてしまいましたが、今回の本題に入りたいと思います。とは言っても、私の技術もまだまだですので、これから紹介する方法では納得のいくものが出来るかどうかは「?」ですが、やってみたいと思います。

題材

今回は、コーヒー缶に対抗して、(冗談です)「ペットボトル」に「錆塗装」をやってみたいと思います。ペットボトルは基本的には金属製ではないので、錆びるはずはないので 身近な物 + 題材的にも面白いかなと思っただけです。

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使用する道具

今回使用する道具です。今回の道具は「これだけ」です。

ホームセンターで100円くらいで購入した、「洗車用のスポンジ」です。スポンジにも色々な物がありますが、なんでもいいです。

プロが使うスポンジは「海綿」といいまして、千切り方や使い方で、「それ風」な模様が作りやすいですが、使用済みの捨ててしまう「台所用スポンジ」などでもOKです。

使い方としては適当な大きさに千切り、塗りたい塗料を含ませ、「ポンポン叩くように」塗ったり、「こすりつける」様に塗ったりします。最初はコツをつかめなくてもやってるうちに千切り方や塗料の含ませ方など分かるようになると思います。

実はこのスポンジ、色々な表現塗装などでよく使われている道具です。(スポンジの種類も色々あります)

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使用する塗料 

次に、使用する塗料ですが、またまたいつもの様に、「水性の艶消し塗料」でOKです。エイジングの肝となる部分、「時間経過」や「錆」などを表現する際に、艶があってはおかしいからです。「艶のあるピカピカ光るサビ」とかは無いと思いますので。

つまりスポンジに塗料を含ませ所々ポンポン叩けば「終了」です。後は、スポンジの千切り方で模様を工夫したり、何所に塗料を付けるかなど、自由にやるだけで完了になります。

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ベース色 

今回はちょっとした「金属感」を出す為にベース色として、下塗りにシルバーを塗りました。私は手早く塗るために倉庫にあった、缶スプレーで塗りましたが、勿論「スポンジ」でポンポン叩いて塗ってもOKですし、刷毛塗りで適当に塗ってもOKです。

ベース色にシルバーなどを使わなくても大丈夫ですが、ペットボトルは透明なので 何かしらの下塗りは行った方がいいと思います。

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スポンジで錆を表現して完了 

黒や赤、黄色や白などの塗料を、混ざらないように適当なトレーに 移します。

塗料を適当にスポンジに染込ませてから、ポンポン叩いたり擦ったりして、ペットボトル全体を塗りました。色んな色を一度に塗ってもいいですし、トレーの塗料を適当にスポンジで混ぜたりして塗ってもいいですし、各色を乾燥させ、その上から再度色をつけてもいいですし自由なやり方でOKです。

実際にサビたらどうなるのかなど、想像しながら色をつけていく感じです。今回は部分的ではなく、全体的に塗ったのでそのままだと「もっさり感」が出るので、サンドペーパーで所々削り、下地のシルバーを出してみました。

もう一歩進んだテクニックだと、塗料を任意の大きさで「点」で塗布し、上から水を垂らし、「塗料を流す」と「雨に打たれた感」や、刷毛に水をつけて擦り「滲み感」なんかも表現出来ますし、歯ブラシや刷毛などで塗料を「飛ばして」ザラついた表現なんかも行います。最初から「粒」の入った塗料などもあります。

今回はスポンジだけで塗りつけを行いましたので、本物感はあまりないですが、基本的にはこのような感じで行います。

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最後に

エイジング塗装は 店舗やテーマパークなどによくみられますが、一般の住宅ではあまり使われる事はないです。センスしだいでは外部、内部、小物などお洒落なものが出来ると思います。

が、私はおっさんなので私生活ではまったく興味ないです。模型の塗装法に「ウェザリング(風化)」と言うのがありますが、コンセプトとしては共通する物があると思います。

今回はこの辺で。