work0 ちょっと一服 プロの道具
前置き
今回は私が普段仕事で使っている「道具」について書いてみようと思います。
基本の道具
どんな職業をされている方でも「道具」は必要ですし、こだわりもあると思います。道具が全てではありませんが、道具がないと始まりません。
普段私が私が使用している道具を紹介しようと思います。ペンキ屋の基本セットです。
「皮スキ」・「ダスター刷毛」・「カッターナイフ」の3点です。
ペンキ屋なら誰もが必ずもっています。3つの道具で「みつどうぐ」と言う人もいますし、腰にぶら下げるので「腰道具」と言う人もいます。
この、3つの道具さえあれば、誰でも塗装屋になれます!。
使い方
これら3つの道具の使い方は色々あり、
「皮スキ」は、
ペンキ缶(一斗缶など)を缶切りの様に使って蓋を開けたり、塗料を剥いだり、削ったり、錆落としに使ったり、ヘラとして使ったり、それはもう、書ききれないくらいの使用用途がある「神道具!?」です。価格も100円~500円くらいで、神価格です。
「ダスター刷毛」は、
主に「ハンド箒(ホウキ)」として使います。マスキング(養生)をする前の清掃や、ケレン作業後の清掃などに使います。サイズも大小あり、用途によっては、刷毛として塗料も塗ります。価格も100円~300円くらいで、やっぱり神価格です。
「カッターナイフ」は、
切る以外にも色々使い道がありますが、切る用途としても必要不可欠な道具でもあります。私が使用している物は500円くらいの物ですが、100円ショップの物でも大丈夫です。以前は見栄を張って1000円以上する、ダイカスト製などを使用したりもしていましたが、なくしてしまうとショックが大きいので今は普通のやつを使っています。
これらの道具、安い物で合計すると、「300円」で揃えられます!!。
並程度でそろえても、「1000円」と、「ホントにプロの道具なのか?!」と、疑ってしまうほどの価格です。
もちろん、この「3つの道具」以外にも、仕事の内容によって必要な道具もありますし、「機械類」もあります。ですが、ペンキ屋の道具と言えばこの3つが代表的な物です。
刷毛やローラー
後は、ペンキを塗るための道具、「刷毛」 や 「ローラー」 などがあります。機械類では吹き付けをする道具などもあります。
この、刷毛やローラーには、作業員の皆さんは「強いこだわり」をもってらっしゃる方が多いですね。高額な刷毛を数十本も所有し、大事に扱ってる方も沢山います。
私はといいますと・・・、
これだけですw。
(水性用)
(油性用)
中にはホームセンターで買って来たやつもありますが、悪くなれば新しい物と取り替える感じで使用しています。
理由
なぜ私が、このように「安い」道具を使っているのかには理由が2つあります。
① 高い刷毛でも安い刷毛でも結果(出来上がり)は同じ
② 近年、2液型塗料の普及で刷毛の使用後、傷みが早い。
①は勿論、高価な物ほど 「使用感」 はいいです。使用感がいいほど、効率や仕上がりにも影響しますが、私の場合、ストレス(例えば毛が抜けるなどの)を感じなければ、結果(仕上がり)はあまり変わりません。
②の理由が主な理由になりますが、「主に油性塗料の場合」ですが、2液型の塗料は、「硬化剤」を使用しますので、使用後の刷毛の洗浄に強いシンナー(ラッカーシンナー)などを使用しなければならず、刷毛の「コシ(麺などのコシと同じ意味です)」が無くなってしまい、戻し(弱いシンナーで洗いなおす)をしてもあまり状態がよくなりません。したがって、刷毛のいい状態を保つ事が難しく、高い物を購入しても直ぐにダメになります。
また、洗い方が悪いと直ぐに刷毛が固まってしまうので、充分に洗う必要がありますが、その分シンナーも沢山使う必要があります。
もう1つ理由があります。
刷毛を洗う時にシンナーを使用しますが、近年の石油類高騰のせいで、シンナーなどの価格も上がっています。刷毛などを洗浄したシンナーの廃棄などにも費用が掛かります。
私の地域では廃棄業者に頼んで、ドラム缶1本分(約200L)廃棄で、「15,000円~20,000円」程掛かります。
道具を使用するたびに、シンナーを沢山使い洗浄する人(道具を大事にしているからでしょうが)もいますが、その様な使い方をするとドラム缶でも直ぐに満タンになってしまいます。「シンナー代」や「廃棄代」、「廃油をむだに出す」事について、エコに関するとりくみなどを考えると、高価な物に拘ってもしょうがないと思っています。
「廃油を無駄にださない。」と、いう考えの下に、安価な道具(刷毛やローラーなど)を、使用しています。ですので、油性に使用したローラーなどは洗わないで捨てます。使い捨てと考えていますので安い物で充分なのです。
水性用の刷毛やローラーなどは 水で洗って再使用します。使えなくなれば新しい物と交換しますが、使えるうちは使います。
水性用の道具で安い物を使う理由は①の理由からです。
最後に
道具や機械など、「仕事」で使う物に誰でもこだわりがあるかと思います。
これは私の勝手な思い込みですが、未熟な人ほど「いい道具」を使うべきだと思います。
こう言うと、未熟な人には「もったいない、よさがわからない、使いこなせない」と、思う人もいるかもしれません。
プロになるまでは 誰もが見習いで未熟です。ですが、仕事をする以上、他の人からみれば「プロ」です。「未熟な腕を道具でカバー」する為です。
道具がよければ、モチベーションも上がると思いますし、道具が高価であれば「大切にする」事も覚えます。もちろん、使用感もよいでしょう。
ただ、「いい物」になれてしまって、「安価」な物を軽視するようになるのは頂けません。
安価な物でも「作られている意味」があります。安価な物でも軽視せず、その意味を理解する事が出来れば、プロとして一皮脱皮出来るかもしれません。
今回はこのへんで。