work 73 DIY 缶スプレーでスピーカー塗装 大理石調塗装
前置き
今回は使わなくなった古いスピーカーをそれなりに塗装してみようと思います。
なぜ それなりにかと言いますと、スピーカーのバーツを外していて分かった事なのですが、スピーカーの表面がシート(シール)だったからです。通常ならシートの上には塗装はしません。
本来なら、「ダイノックシート」や「ベルビアン」などの、シートを貼った方が綺麗に出来ていいのですが シートを貼っても面白くないので、DIY的に適当な仕上げですが、とりあえず塗装してみました。
ついでと言っては何ですが、塗装法の紹介も兼ねて、昔からある「変わり塗り」の1つで、「大理石調塗装」も行ってみたいと思います。
「変わり塗り」については過去の記事でも少しだけ書いています。
題材のスピーカー
今回塗装するスピーカーです。10年くらい前にホームセンターで3000円くらいで購入しました。画像のスピーカーは「ウーハー部」で他に小さなスピーカーが2個あります。安い割には気に入った音がでるので、捨てずにとっていました。
表面はつるつるではなくて、チヂミ模様というか、ちりめん模様みたいな感じです。とりあえず、塗装を行うために外れるパーツは外して行ったのですが、ここで「BOXの素材が「MDF」という事がわかりました。
しかもスピーカーは完全にMDFに固定されていて外すと壊れちゃう構造でした。MDFの表面にはシートを貼ってあり、完全に「あらら。」状態です。付属の2個のスピーカーはプラスチック製なのでこちらもプラスチック製かと思っていました、残念。
MDFについてはこちらの記事で少しだけ書いています。
いっその事、壊しちゃって新しく作り直してもいいのですが、DIYくらいなら塗装もありかなと思い直して塗装する事にしました。
昔の物なので相変わらず、子供の落書きやシールを貼った跡などがあります。スピーカーの左右にある四つの穴みたいな物は 本来「ネット」がありネットをはめるための穴です。ネットはどこに行ったかわかりません。
切り口でMDFだとわかります。その上からシートを貼っているのもわかります。
下準備
プラスチック製ならばプライマーなどを塗るのですが、シートなので、子供が貼ったシールの糊を落として脱脂をした程度です。マジックの跡もそのままです。この状態から下塗りを行います。
缶スプレー
今回は「大理石調塗装」を行いますので「缶スプレー」を使用します。以降の説明の中でわかると思いますが、今回のやり方では模様付けに「吹き付け」を行います。
「吹き付けを行わないやり方」もありますが、今回は「吹き付け」の模様付けのやり方で行います。「吹き付け」のやり方と「吹き付けを行わないやり方」を組み合わせるともっと本物みたいな模様も作る事ができます。
DIYなどで吹き付けを行うには「缶スプレー」くらいしかないので缶スプレーを使用します。下の画像の缶スプレーはあり合わせの物で 左より、
・ラッカーのクリヤー
・アクリルの黒
・ラッカーの銀
です。今回はラッカーのクリヤーは使用しません。
本当は「2液型ウレタンのクリヤー」を使用して仕上げようと思っていましたが、
シートですので溶剤系を厚く塗装してしまうとシートが溶けたりシワシワになる可能性もありますので下地を起こす事のない「水性ウレタンクリヤー」で仕上げます。
黒と銀は アクリルとラッカーで「塗料の種類が違うもの」です。塗り重ねに使用するのはよくないですが、今回はお構いなしに使用します。
缶スプレーに関してはこの記事で書いています。
模様付けに使用する道具
今回紹介する「大理石調塗装」は昔からある方法で、
・真綿
・木枠
・水のり
が必要な道具です。
本来のやり方は、自分で適当な「木枠」を作り、その木枠に「釘やビス」などを適当な間隔で打ちます。その釘に「真綿」を引っかけて「薄く引き延ばします」。
真綿を引っかけた木枠をそのまま「水のり」に浸して乾燥させます。「水のり」ではなく、今は「ラッカークリヤー」で固める方が多いかもしれません。
水のりやラッカークリヤーなどで固めた真綿を引き延ばして大理石の模様を形づくり、塗装物にあてがって吹付を行うのが目的です。
要は「綿で作成したステンシル」です。
この方法でつくった道具が本来のやり方ですが、枠を使用せずに綿をほぐしてから、ラッカークリヤーやスプレータイプの水のりで固めて、それから適当な形になるようにほぐすだけでもいいです。
道具の材料は全部100均でそろうので便利です。今回は綿の固定に「マスキングテープ」を使用しましたが、枠を使用する場合はやはり釘や画鋲などに引っかけて伸ばした方がやりやすいです。画像で綿を張った枠ではまだ「綿の厚みが厚いです。
ここから「本のページをめくるように」綿を薄くしたり、引っ張ったりして、適当に模様をつくるための下準備を行いました。この作成した道具をあてがい、上から吹き付けを行うと、それなりの模様ができるという感じです。
今回は枠をあてがい塗装していますが、綿を直接塗装物に被せるやり方もあります。
画像の物ではまだ綿の厚みが厚いです。ここからもう少し薄くしました。
模様付け
画像ではすでに模様付けを行っている途中ですが、最初に黒をベース色として塗っています。乾燥後銀で模様付けを行い中です。本当は2~3色などを使用し多色を使えばそれっぽく見えるようになるそうです。
今回はあり合わせのラッカーの缶スプレーやアクリルの缶スプレーを一緒くたに使用していますが、出来れば種類を統一した方がいいと思います。
上塗りクリヤー
今回はよい仕上げを目指して、「2液型ウレタンのクリヤー」の缶スプレーを使用するつもりでしたが、最初で説明したとおり、塗装する素材がシートでしたのでほどほどの仕上げの「水性クリヤー」に変更しました。
水性クリヤーならば「家の中」でも臭気をあまり気にせず、下地のシートを溶かしたりはしないので気にせずに塗装できます。刷毛などは使用せずに画像に映っている「短毛ローラー」だけで塗ります。
塗り方としては過去記事のこんな感じで適当に塗っていきます。仕上げもコンパウンドで適当に軽く磨いてみます。
水性クリヤーを塗ってすぐの状態です。
水性クリヤーが乾燥したらこんな感じです。画像は1回目ですが、手始めに3回ほど塗りました。
水砥ぎ
今回は、「水性クリヤー3回塗り → 水砥ぎ」を3セット行いました。最初に書いたように「表面がチヂレ模様」なので平にするために、クリヤーで厚塗りする感じです。(クリヤーよりもサンディングシーラーの方がいいのですが、なかったため。)
水砥ぎに使用した耐水ペーパーは、最初の2セットくらいまでは「600番」。
次に「800番」を使用。コンパウンドで磨く前は「1500番」を使用しています。綺麗に仕上げるなら、「溶剤のクリヤー」を塗って「3000番」くらいまで番手を徐々に上げながら作業をしていかないと綺麗にはなりませんが、今回は色々とありましたので「とりあえず最低限」くらいで仕上げとします。
磨き作業
耐水ペーパーでのサンディングを適当でやめて、磨き作業にはいりました。画像はまだ磨きの途中段階です。基本的には、ペーパーかけの段階の良し悪しで磨きの仕上がりが変わります。
水性クリヤーは溶剤のクリヤーよりも輝きは落ちてしまいますが、DIYなどの「手で磨く作業」などでは行いやすいです。(溶剤のクリヤーを機械を使用して磨く方が綺麗になります。)
今回は残念気分でしたので、これくらいの磨きで切り上げました。
完成
一通り磨き作業が終了したので、外したパーツにシルバーなどを塗って取り付けたら完成です。仕事としてなら「全くダメ」ですが、DIYとしてなら「ほどほど」くらいでしょうか。
今回はこの辺で。