paint work’s 塗装工事に関する blog

建築塗装をはじめとした 色々な塗装工事についてのブログです

work8 サイディング外壁の塗装 その⑤ 2色塗り分けや多色塗り

2色塗りや多色塗り

前回で色選びなどの話が終わりましたので、 

paintwork.hatenablog.com

今回は色塗りの話を 画像を交えて書こうかと思います。

 

サイディングの場合、さまざまな模様がありますが、単一色で(全体を1色や、1階、2階と色を分ける場合もありますが、面に対しては1色)が似合う模様もありますが、意匠性の高い柄、例えば タイル調やレンガ調、石目調など、

1色では なんか変。」という模様もあります。

工場生産のサイディングボードの塗装は、「インクジェットで印刷」 されているそうです。それをそのまま、現場作業や手作業で再現するのは、費用や技術、工期など さまざまな理由から困難がありますが、「1色塗りよりは ましかな。」 程度の塗装は出来ます.。現在では多くの塗装業者が「2色分け」という塗装工法を行っています。模様の凸部と凹部を2色の色で塗り分ける方法です。

この2色分け塗りは「たいした技術」でもなくて、「大昔」からある、至って簡単な塗り方です。私の場合は、大昔に吹き付け塗装の「タイル」の「凸押さえ模様」で、押さえた模様面だけを色を変える手法などでやっていました。下の画像はスタッコと言ってタイルとは違いますが模様は同じです。

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この画像の平たい部分だけを違う色で塗り分ける方法です。「短毛」のローラーで、塗料を付け過ぎないように塗っていきます。塗料をタップリ付けてしまうと凹部に塗料が付いてしまうので、出来るだけ「塗料を薄く付け、薄く塗って」行きます。なので、正しいやり方で施工しないと問題が発生します。

それは凹部や目地などのヘコミ部位の色できちんと「2回塗る」ということです。

例)シーラー塗り → 目地色塗り(上塗り1回目) → 目地色塗り(上塗り2回目) →ここまでで、標準施工の「3回塗り」となります。

もし、目地色塗りを一回しかしなければ、色分けで別の色を塗っても、凹部は上塗り1回しか塗っていないことになります。ですので、2色分けの施工の場合は、

3回塗り+凸部1回塗り」もしくは、「3回塗り+凸部2回塗り」になります。

 そしてこの「2色分け」は、サイディングボードの模様で凹凸部の差があり立体感などがあれば、綺麗にみえますが、「目地部だけがへこんでいて後は平なタイル調」などは、2色で塗り分けても、塗料なので「何かのっぺりして変」な感じです。

1色で塗りつぶすよりはましかな。程度です。

2色分けや多色塗りの流れ 

文章ではわかり難いので、私が現場から適当に貰ってきた、サイディングの切れ端をつかって実際にサンプルを作る過程を画像で説明したいと思います。

使用している材料は「2液型弱溶剤シリコン塗料」ですが、水性でも溶剤でも、サイディングの上に塗れる塗料ならなんでも出来ます。

今回は溶剤系塗料を使用しているのでレンガ調なのに艶が出過ぎていますが、好みに応じて艶も変える事が出来ます。また、艶を変えると同じ色でも質感が変わって見えます。

塗装前

なにも塗っていない状態です。今回はこれをサンプル的に塗っていきます。色的に、薄い色なのでわかり易いサンプルとしてあえて濃く塗ってみたいと思います。色のバリエーション的には塗料で表現できる色ならなんでもいいです。f:id:Paintwork:20150216065958j:plain

下塗り

最初にシーラーを塗り、その後に「目地になる色」を「2回」全体に塗っています。これで、下塗り1回、上塗り2回の、標準的な工程が終了した事になります。今回は元の色との差別化の為、濃いグレーにしました。単一色仕上げだと これで終了という事になります。f:id:Paintwork:20150216070018j:plain

2色分け塗り

次に、凸部の色を塗ります。これで、「目地」と「レンガみたいな模様」の色分けが完了しました。一般的に言う 「2色分け」 と言う施工方法です。通常はこの段階で終了になります。

今回は、ここから先も色を付けていくので、レンガ部分は2色目の色でほぼ塗りつぶしています。2色分けの場合は このようなレンガ調だと、目地の色を濃いグレーにした場合、レンガの茶色部分の凹み部が「濃いグレー」になってしまいます。それはそれで、変なので今回はこれ以降も色を付けていきます。

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3色目

サンプルはレンガみたいな模様ですので、3色目の色を塗り、柄を加えてみました。

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4色目

また別の色を加えて、全体を整えてみました。これで4色目になります。これで一応 今回のサンプル作成は終了となります。f:id:Paintwork:20150218011327j:plain

アップ

アップで撮ったら反射でちょっとわかり難くなってしまいました。f:id:Paintwork:20150218011344j:plain

別の色分け

サイディングの切れ端がまだ残っていたので別の色を塗ってみました。色が変わるとまた雰囲気も変わるかと思います。f:id:Paintwork:20150216070302j:plain

アップ

目地色もあわせて3色使用しています。

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最後に

と、この様に 「ある程度の色分け」 は可能ですが、手作業ですので機械みたいにはできません。模様や色次第では1色の方が似合う場合もありますし、手間が増えれば費用も増えてしまいますので、よく検討してから決められた方がいいと思います。

今回はこのへんで。