paint work’s 塗装工事に関する blog

建築塗装をはじめとした 色々な塗装工事についてのブログです

work12 屋根の塗装 瓦編

屋根の塗装 

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今回からは屋根の塗装について書いてみたいと思います。屋根と言っても色々な種類がありますので順を追って書いてみたいと思います。今回は「瓦の塗装」についてです。

 

瓦の種類

「瓦」にも幾つかの種類があり、塗装しない方がいい瓦、した方がいい瓦とあります。

瓦の塗り替えと言えば吹き付けによる施工法が一般的ですが、近年では住宅環境の変化や近隣への配慮から、手塗りによるハケやローラーを使って塗装する施工法に戻りつつあります。

一般的な瓦の種類を挙げますと、 

焼き瓦

(塗装をする必要はありません)

釉薬(ゆうやくかわら)(陶器瓦)

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瓦の表面にガラス質の釉薬(うわ薬)を塗り焼成した瓦。この瓦は表面がガラス質であり、陶器のような風合いがあることから陶器瓦とも呼ばれます。古くからある木造住宅の屋根では見かけることもありますが、現在では一般の住宅には殆ど使われていないかと思います。

無釉瓦(むゆうかわら)

 (塗装をする必要はありません)

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一般的には 「いぶし瓦」、「素焼瓦」、特殊な例では「練込瓦」、「窯変瓦」などがあります。陶器瓦とは違い釉薬(うわ薬)は使用せず、それぞれの特殊な焼き方でつくられた瓦です。近年では、一般住宅の屋根材としてはこちらが使われている事が多いです。

セメント瓦

(基本的には塗装が必要です)

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古くからある木造住宅の屋根では見かけることもありますが、現在では新築の住宅には殆ど使われていないかと思います。セメント瓦を塗装する際には、傷み具合いにより、「下地材」を変える必要があります。下地が良好な場合は「シーラー系」、傷んでいる場合は「フィラー系」です。

そしてちょっと特殊な下地の施工法もあります。下地がかなり傷んでいる場合は、「圧送式」と呼ばれる吹き付け機で、「粉体と混和液」からなるフィラーで吹き付けをする工法です。普通の吹き付け機では吹き付けの出来ない、「とても粘度の高い塗材」を、綺麗に吹き付ける事が出来ます。完了後はセメントが蘇ったかのようになります。ですが、吹き付け圧も高いので飛散の心配もあり、近年では、一般の住宅地では施工が難しくなりました。

洋風コンクリート

(乾式コンクリート瓦)(塗装の際は注意が必要です

(画像元:水谷ペイント株式会社

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洋風コンクリート瓦とは、一般に、「モニエル瓦」、「クボタ洋瓦」、「スカンジア瓦」、などの商品名で呼ばれており、セメントと骨材が1:3程度の割合で混合された基材に、着色目的のカラースラリー層と、表面保護目的のクリヤー塗装仕上げがされた瓦のことです。なお、現在では「モニエル瓦」は発売元の会社が解散したため、商品が無いみたいです。

この瓦は昔は「塗ってはいけない」と言われた瓦です。

上から、

・クリヤー層

・スラリー層

・基材層(コンクリート・骨材)

の3層構造なのですが、トップのクリヤー層が劣化すると、「スラリー層」という層が現れるのですが、これが曲者で、とても脆弱な下地層なんですね。塗装しても要は「スラリー層ごと」剥げちゃうんですね。

昔は脆弱な下地、スラリー層を固め、その下の層の基材まで浸透する役割の下地材がなかったのです。ですので、普通のセメント瓦などの施工法では早ければ数ヶ月で塗料が剥げていました。

現在では、

・スラリー洋瓦用シーラー(水谷ペイント)

・Sun瓦 洋瓦シーラー(エーエスペイント)

などの、(他のメーカーでもあります)スラリー専用下地材があります。

下地材は開発されたのですが、きちんとした「知識と技術」をもって施工しないと直ぐにトラブルになってしまいす。

化粧スレート瓦

(基本的には塗装が必要です)

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「コロニアル」、「カラーベスト」とも呼ばれています。

 スレート瓦は表面の塗装が劣化すると、下地がモロに出てきますので、維持しようと思えば塗装は必要になります。立地条件や方角などもありますが、日当たりのあまり良くない面は、「コケ」もかなり生えますのであまり水はけも良くないような気がします。「コケ」が生える要因に、塗装が劣化した場合スレートが水分を含みやすいと、いう事も挙げられると思います。

コロニアルの場合は、メーカー耐久年数が30年となっていて、「耐久度的には塗装する必要がない」という業者もあります。また、「縁切り作業」も必要と書いてるHPやブログなどが多いです。これについては別記事で私的見解で書いてみようと思います。 

追記:コロニアルの塗装についての記事を書きました。 

paintwork.hatenablog.com

特殊な物を除き一般的な瓦はこれくらいでしょうか。各瓦への使用塗料や施工法などの紹介は、屋根の種類の紹介が終ってから書こうと思います。

今回はこの辺で。

続きは 

paintwork.hatenablog.com