paint work’s 塗装工事に関する blog

建築塗装をはじめとした 色々な塗装工事についてのブログです

work14 屋根の塗装 簡易塗料選択編

屋根の種類

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前回、前々回と、種類別に屋根の塗装の事を書きました。 

paintwork.hatenablog.com 

paintwork.hatenablog.com

前置き 

今回は今まで紹介した屋根への塗装について、使用する塗料や施工などについて書いてみたいと思いましたが、単純なので工法と使用塗料のグレードなどを簡潔に書いてみることにしました。

屋根の塗装については外壁の塗装と違い、「模様付け」などはありません。

下塗り → 中塗り(上塗り)→ 上塗り が、一般的な施工法となります。

使用する塗料については 「水性」 や 「溶剤」 がありますが、私の場合は、「水性」は特別な場合を除き 「非推奨」です。理由としましては、私の経験上、「屋根塗料の場合」は明らかに同じグレードの塗料だと、水性の方が劣化が早いと感じます。(つや引け、剥がれなど。)

また、水性塗料は溶剤塗料ほどの硬質性がなく、(柔軟という意味でもないです)劣化した時の状況はチョーキング(粉化)ではなく、塗料の浮きや剥がれの方が多いです。劣化時に浮きや剥がれが生じた際にはケレン作業などの補修作業が綺麗に出来にくいです。(塗膜が硬質ではないため、伸びるように剥げ作業が困難です。)

あと、コロニアル瓦などに水性塗料を塗ってしまうと、隙間が埋まってしまう事が多いので注意が必要になります。水性塗料は粒子が粗く、隠ぺい力はありますが、その分塗料が厚くつきやすい傾向があるからです。

それから、「溶剤」 についてですが、溶剤には「弱溶剤」、「溶剤(強溶剤も含む)」と2種類の溶剤塗料があります。「弱溶剤塗料」が出る前は、「水性」塗料と「溶剤系」塗料しかありませんでした。

一般的な塗料の種別として、「水性」、「弱溶剤」、「溶剤(強溶剤も含む)」とあるのですが、そのどれもに同じグレードがあります。例えば、〇〇ウレタン、〇〇シリコンとか、〇〇フッ素とか。

近年では急速に「弱溶剤系塗料」が広まって、「溶剤系塗料(強溶剤)」はあまり使われなくなりましたが、

①(voc削減への取り組みやホルムアルデヒド放散などの理由により。)

②(飛散防止や近隣への配慮などで吹付はあまりしない方向になりました。)

③(強溶剤は主に吹付で施工しますので②の理由から。)

耐久性だけを考えると同グレードでは「溶剤(強溶剤)」の方が勝っていると思います。

施工法や塗料選択 

基本的には「~以上」 などと書いていますが、最近流行りの「フッソ」や「無機」などは、材料も高価ですので、十分に検討してからでいいと思います。では各屋根材への施工法や選択塗料などを簡潔に書いてみます。

セメント瓦 

・施工方法        「吹き付けor手塗り」

・推奨上塗り塗料種別   「溶剤・弱溶剤」

・推奨上塗りグレード   「シリコン以上」

・遮熱塗料        「必要性・なし」

洋風コンクリート

(乾式コンクリート瓦  塗装時注意

・施工方法        「吹き付けor手塗り」

・推奨上塗り塗料種別   「弱溶剤・溶剤」

・推奨上塗りグレード   「シリコン以上」

・遮熱塗料        「必要性・なし」

化粧スレート瓦

(コロニアル・カラーベストなど)

・施工方法        「手塗りローラー施工」

・推奨上塗り塗料種別   「弱溶剤」

・推奨上塗りグレード   「シリコン以上」

・遮熱塗料        「必要性・どちらともいえない」

トタン

(瓦棒など)

・施工方法        「手塗りローラー施工」

・推奨下塗り材      「弱溶剤型2液エポキシ樹脂さび止め」

・推奨上塗り塗料種別   「弱溶剤」

・推奨上塗りグレード   「ウレタン・シリコン」

・遮熱塗料        「必要性・どちらともいえない」

ガルバリウム鋼板

(塗装時注意)

・施工方法        「吹き付けor手塗り」

・推奨下塗り材      「専用プライマーあり」

・推奨上塗り塗料種別   「下塗り材とのセットになった弱溶剤もしくは溶剤」

・推奨上塗りグレード   「下塗り材とのセットになったシリコン以上」

・遮熱塗料        「必要性・ガルバリウム鋼板の素材自体が遮熱性を   持っている為、効果が出にくいため必要性なし」

 折板屋根

・施工方法        「吹き付けor手塗り」

・推奨下塗り材      「弱溶剤型2液エポキシ樹脂さび止め」

・推奨上塗り塗料種別   「弱溶剤」

・推奨上塗りグレード   「ウレタン・シリコン」

・遮熱塗料        「必要性・どちらともいえない」

最後に

遮熱塗料の項にて「必要なし」と書いているものは素材自体が断熱性があり、遮熱塗料を塗布してもあまり効果が得られず意味がないからです。また、「どちらともいえない」と書いているものは、状況により「効果が望めるかもしれない」という事です。

 遮熱塗料に関しては次回にでも書こうと思います。

遮熱塗料については、  

paintwork.hatenablog.com

今回はこの辺で。