paint work’s 塗装工事に関する blog

建築塗装をはじめとした 色々な塗装工事についてのブログです

work18 木の塗装番外編 バーナー焼き 柿渋塗り

木をバーナーで焼き、柿渋を塗る

今回は一般の住宅の塗装ではあまり行われない、「バーナー焼き」について書いてみようと思います。

 

「バーナー焼き」とは文字通り、木材をバーナーで焼いて仕上げる工法です。木材の表面を焼いて炭化させるので、ただの木材よりは防火性や防虫性などもあるそうです(焼き表面)。

用途としては、住宅では 「外壁板」 ・ 「柱」 ・ 「梁」 ・ 「上り框」 などの、木材の見える部分での高級仕上げです。見た目にこだわるなら焼いた後の仕上げ方も色々ありますが、昔ながらの工法にこだわるなら、柿渋塗りになります。

ですが、その施工法ゆえに建物が建ってからでは施工(焼く)は困難なので取り付ける前に施工(焼く)する必要があります。

その他では、家具などのアンティーク調な仕上げ模様や、木材を使った製品への柄付け等あります。

「焼杉板」などに代表される外壁材も、昔は実際に焼いて作っていたそうですが、現在は薬品で焼いて作るそうです。

現在では、防腐・防虫などの性能が高い塗料が主流ですが、シックハウス症候群などのアレルギー症や科学物質過敏症に対しては昔ながらの工法も有効だと思います。

焼いた後、磨いてそのままでもいいですし、塗装での仕上げでもいいのですが、せっかく焼いて磨く作業をしますので、塗料にもこだわった物を使うと言う手も有ります。

その1つが「柿渋」です。

自然塗料という手もありますが、自然塗料でも揮発性物質の放散はあります。(自然塗料については機会があれば書こうと思います。)柿渋は天然素材塗料ですので安全な塗料として近年見直されてきています。

やり方

ではいつものように板の端材を使ってサンプルを作ってみたいと思います。

 

板の端材です。

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表面が汚れている場合はサンドペーパーなどで軽く研磨します。それからバーナーで焦げ目をつけて行きます。今回はハンドバーナーを使いましたが、柱や大きな木材にはプロパンガスバーナーなどを使います。

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表面のススを磨きます。磨く道具などは用途や木材に合わせて、ナイロンタワシやブラシなどを使います。(写真は磨いた状態です)

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さらに磨いた状態です。このままでも良いのですがこの後 柿渋を塗ります。

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柿渋を1回塗り、しばらく染込ませて拭きあげました。今回はこれで終了としますが、この後、色味をみながら2回、3回と柿渋を塗りこむ事で風合いや質感も違ってきます。

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最後に 

柿渋自体はオイルステインや木部保護塗料みたいに木に染み込ませる事が出来る部位に塗る事が出来ますので、塗るだけなら木を焼く必要はありません。

今回はサンプルですので、焼きを均等になるように仕上げましたが、やり方次第でもっと木目を強調したり、古民家のような仕上げも可能です。昔の人の知恵って改めて凄いと思います。

 

続きは 

paintwork.hatenablog.com

今回はこの辺で。