paint work’s 塗装工事に関する blog

建築塗装をはじめとした 色々な塗装工事についてのブログです

work109 外壁の塗装 サイディングボードの塗装

はじめに

私は「建築塗装」の仕事をしている訳ですが、今回は建築塗装において主要部分の一つでもある「外壁」の塗装について書きます。

外壁と言いましても「モルタル」「木板」「金属」「サイディング」「その他(コンクリートALCなど)」などの色々な建材があるわけですが、現在の戸建住宅で一般的に多いのは「サイディングボード」の外壁だと思います。

「サイディングボード」の種類でも「窯業系」「金属系」「木質系」「樹脂系」などがあり、使用する塗料や工法などもさまざまです。

今回はサイディングボード外壁でも一番多いと思われる「窯業系サイディングボード」の塗装について書いてみます。

窯業系サイディングの塗装について

私の過去記事に窯業系サイディングについて私の私見を書いていますので、ここではリンクのみにとどめます。記事順に見ていただければと思います。 

2色塗り 多色塗り

窯業系サイディングの特徴として「意匠性」が高い物が多いです。サイディングの柄であったり凹凸であったり多種多様です。一色で仕上げた場合よりもコストはかかりますが、見栄えもよくなる場合があります。

サイディングのデザインによっては一色の方が合う場合もあります。 

塗り替え前

今回は私が12年前に塗装したお客様から再度ご依頼がありまして塗装した外壁を紹介します。このお宅は「横張りの単色サイディング」と「レンガ調のサイディング」の2種類のサイディング外壁です。

12年前は「横張りの単色サイディング」は弱溶剤2液型シリコン塗料、「レンガ調のサイディング」は施主様の希望もあり、当時発売されてから間もない「サイディングボード用2液型クリヤー」を塗装しました。

 

立地条件なのか材料なのかはわかりませんが、12年経過後はこのようになっていました。一方、単色の横張りサイディングの方はチョーキングは殆ど出ておらず艶は少し引いていましたが良好な状態を維持していました。

やはり発売されたばかりの塗料などはカタログなどよりも自身が実際に使用して、時間が経過してみない事には信用が出来ない事をあらためて痛感しました。(当時は高級な塗料の部類でした、今もですが。)

f:id:Paintwork:20210314140558j:plain

塗装前

塗り替え後 

今回はこのアングルで塗り替え後の画像を先に出します。窓枠などのサッシ部以外は「雨どい」「破風」「軒裏」「配管」「コロニアル屋根」など、全て塗装しています。

画像の明るさなどで少し違って見えますがイメージをあまり変えたくないという施主様の希望で「レンガ調のサイディング」以外の塗装部は12年前と同じ色で塗装しています。

f:id:Paintwork:20210314142411j:plain

塗装後

2色塗りの実際

サイディングボードの2色塗り分けや多色塗りについては、上のリンクの記事どおりなのですが、このお宅の場合は「多色塗り」ではなく「2色塗り分け」という塗り方です。

まず、窯業系サイディングボード専用の下塗り剤を塗り、その次に目地となる色を全体に2回塗っています。この時点で合計3回塗りとなり単色塗りでは完了になりますが、先に目地部(凹んだ箇所)が3回塗りになるようにします。

f:id:Paintwork:20210314144316j:plain

目地の色完了

次に凸部にあたるレンガ面だけを塗る段階です。なんの変哲もない毛の短いローラーで凹み部に塗料が付かないように凸部だけを塗ります。目地の溝が深い場合は楽に塗る事が出来るのですが、このデザインの場合は毛の長いローラーで塗ると目地部(凹部)を汚してしまうことになります。

f:id:Paintwork:20210314144725j:plain

凸部に使用するウールローラー

凸部を2回塗った状態です、これで2色塗り分け完了になりますが下塗りから数えると目地部は3回、凸部は5回塗りになります。凸部の色は毛の短いローラーで塗るので膜厚確保のために2回塗りました。

上のリンク記事でもあるようにサイディングボードの凹凸が大きな場合はこの状態から多色塗りを行えば費用はかかりますが、より意匠性のある塗装に発展できます。

今回のサイディングは凸部が平なのでこれ以上多色塗装してもあまりコストに見合った変化は見られないかと思います。

f:id:Paintwork:20210314151017j:plain

凸部2回塗り完了

 

凸部1回目塗り中

f:id:Paintwork:20210314150055j:plain

凸部1回目塗り中

凸部1回目完了

f:id:Paintwork:20210314150311j:plain

凸部1回目完了

塗装前や単色塗りとも比較

色味は違いますが、ちょうど同じ塗料で似たようなデザインのサイディングボードを単色塗りしたお宅があります(私が塗りました)ので見比べてみるのもいいかもしれません。これは見た目だけの比較などではなくコストを含めた選択肢としての見比べになります。もちろん単色塗りの方がコストは抑えられます。

f:id:Paintwork:20210314152600j:plain

塗装前

f:id:Paintwork:20210314152705j:plain

塗装後

f:id:Paintwork:20210314152745j:plain

外壁 単色塗り

おまけ

今回は外壁についてでしたが、今回のお宅は「コロニアル屋根」も塗装いたしました。

12年前も同じ塗料で塗装しています。

画像は塗装前のもので前回塗装してから12年後の状態です。多少の艶落ち、汚れや藻なども付着していましたが状態はいたって良好でした。今回も同じ塗料で塗装しました。

f:id:Paintwork:20210314154228j:plain

前回塗装から12年経過後のコロニアル屋根


今回はこの辺で。