paint work’s 塗装工事に関する blog

建築塗装をはじめとした 色々な塗装工事についてのブログです

work53 浴室(お風呂場)の塗装

お風呂場の塗装 

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今回は浴室(お風呂場)の塗装について書いてみたいと思います。

浴室の種類

浴室には主に2種類あり、

・部屋として造ってある、お風呂場

・ユニットバス

が、あります。最近の浴室はユニットバスが主流だと思います。どちらにも、長所短所がありますが、主な特徴といえば、

ユニットバス

抗菌処理しているものが多いのでカビが生えにくいです。(あくまで、にくいです。掃除を怠ると生えます)大きなプラモデルと同じなので施工も早いですが、デザインが似たり寄ったりなのと規格物なのでサイズもだいたい決まっています。 

部屋として造ってある、お風呂場

一から造るので こだわれば スペースやデザインなど自由に出来ます。檜の風呂から大理石まで高級仕様もなんでもありです。が、実際はホテルや商用施設とは違い、一般の住宅では実用性重視のお風呂場が多いですね。ユニットバスよりもカビが生えやすい様に思いますので掃除や換気が不十分だとすぐにカビだらけになります。 

前置き 

塗装の話に戻しますが、基本的に私の場合、ユニットバスや浴槽などは塗装しません。部屋として造ってある、お風呂場でも、壁や天井などは塗りますが、タイルや浴槽などは塗装しません。理由はといいますと、ユニットバスや浴槽などは簡単に言えば全体がプラスチックなので、塗料の付きがあまりよくない事と、塗装するよりも、「美装(そうじ)」で綺麗になる場合が多いからです。

以前、お客様からの問い合わせで、「インターネットで浴槽の塗装が出来るのを見たので塗装してください」と、言われた事があります。確かに、その様な事が出来るとありますし、塗料の方もかなり耐久性のある塗料もあります。私も過去に、商用施設などのユニットバスや浴槽などを塗装した事はあります。

ですが、経験上なんともいえない感じなのですね。普通の塗料と違って、密着性も耐久性もかなりある塗料なのですが、水周りである事、掃除時におふろ洗剤やスポンジなどでゴシゴシ掃除するので、長期的に考えるとなんともいえない感じなのと、私が実際に施工したり、知り合いが施工した話などを総合的に判断すると、なんだか「微妙」という判断です。もちろん、施工時はとても綺麗になりますが長期的な目でみると、どうかな?って感じです。

私的には、ユニットバス関係や浴槽などの塗装に関しては、かなり古くなっていて、最終的には作り直す、または交換などを考えているけど、とりあえず塗装してみて、塗装が悪くなったらやり変えよう。くらいの気持ちなら塗装してみるのもありかな。と、思います。

が、浴槽などに塗れる塗料は高価なので施工費用もそれなりにかかります。塗装した時は、新品のように綺麗になりますが、新品になるわけではありませんので、あくまで塗料の耐久性が全てになります。塗った塗料が何らかの原因で剥がれてきた 場合などは、とても見た目も悪くなりますし、使用する場合も問題がでます。また直すのも大変になります。

ですので ユニットバスの塗装に関しては、今回は割愛します。今回は一般的に多い、部屋として造ってある、お風呂場の塗装について書いて行きたいと思います。

一般的には、「床から腰の高さ」までが「タイル張り」で、「タイルから上」が、塗り壁やボードで造られた天井になっているお風呂場が多いです。

塗装の流れ 

今回 塗装するお風呂場です。

腰までの高さがタイルです。タイルから上の壁と天井を塗装します。この壁は「塗装の壁」ではなくて、左官屋さんが塗っている「掻き落し(かきおとし)」という仕上げ方法です。「寒水石」と呼ばれる、金魚の水槽の底砂みたいな白い石を、白セメントなどに混ぜてから塗りつけて、タイミングをみはからい、専用道具やブラシなどで表面を擦り落とす仕上げです。

天井部は普通のボードを使っていますので、古くなると水分を含んで傷んでしまうので、(カビなども少し生えています)壁と同じく塗装します。f:id:Paintwork:20150727023453j:plain

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養生(マスキング)

塗装する前の準備として、養生(マスキング)をします。f:id:Paintwork:20150727023752j:plain

今回の壁は 「掻き落し」 という仕上げ壁なので、砂状や石状の吹きつけ塗装やモルタルの塗りたてと同じく、まずは、塗装する前の下処理として、表面の砂や石を箒やタワシなどで落とします。下のリンク記事にも同じような事を書いています。

砂落とし 

砂(石)を落とせるだけ落としておきます。

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養生ビニールの上に白い砂みたいなのが乗っていますが、表面を擦って落とした砂というか、石です。f:id:Paintwork:20150727024857j:plain

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隙間埋め

それから 隙間のある部分を埋めます。これは、天井と壁との隙間になりますが、このような隙間を埋めます。f:id:Paintwork:20150727030139j:plain

 

今回隙間に埋めた材料はこれです、ホームセンターなどでも売っている、アクリルのコーキング材です。隙間がもっと大きければ、変性コーキングなどを使います。f:id:Paintwork:20150727030341j:plain

隙間埋め完了

コーキングなどで、隙間などを埋めた場合は、コーキングが乾燥しないうちに塗装すると後から塗装がひび割れを起こします。

ですので、夏場だと1日以上、冬場ですと2~3日は塗装しないほうがいいです。大きな隙間にコーキングをした場合などは、夏冬それぞれにプラス2日くらいは乾燥させたほうがいいです。ですので、今回はこの日はここまでで作業はやめ、外の仕事もあったのでそちらに段取りを変えました。f:id:Paintwork:20150727030437j:plain

下塗り~中塗り

隙間埋めの翌日です。

コーキングも乾燥していたので、まずは、天井に付いているカビなどを落とせるだけ落とし、下塗りに「シーラー(塗料の密着を良くする材料です)」を塗り、上塗りの1回目となる、中塗りをしました。

上塗りの材料は溶剤系の塗料ですが、乾燥後の艶は無い塗料を使用します。お風呂場なので水滴など付く関係で、天井などは「艶あり」を塗るのがセオリーなのですが、今回塗っている塗料は、防カビ性能が高い事と、艶が無い方が落ち着いた空間になるので、使用しています。

写真は中塗り直後です。f:id:Paintwork:20150727031816j:plain

今回塗る壁は「掻き落し」なので「壁の目が粗い」です。ですので使用する「ローラー」なども毛の長い物を使用します。毛が短いと粗い目の壁に塗料が入ってくれないので 長い毛の物を使います。f:id:Paintwork:20150727031854j:plain

中塗り乾燥

中塗りが乾燥しました。これから上塗り(上塗り2回目)を行います。

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上塗り 

上塗り(上塗り2回目)を行っています。右半分の薄い色の部分が2回目です。 同じ色を塗っているのですが、塗りたてと乾燥後ではこれだけ色の違いがあります。乾燥すると同じ色になります。f:id:Paintwork:20150727032638j:plain

 

◎ 塗料をたっぷりと使用して塗らないと、目の粗い壁には塗料が上手く塗れません。

悪い例。塗る塗料の量が少ないとピンホールなどが出来てしまいます。

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塗料の乾燥後は「塗料が痩せる」ので このまま仕上がるわけではありませんが、

今回の場合は出来るだけたっぷりと塗る必要があります。

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上塗り2回目完了後です。塗装直後なので塗料はまだ乾燥していません。

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 完了

乾燥を待ってから、養生(マスキング)を取りました。今回はこれで終了となります。f:id:Paintwork:20150727033328j:plain

最後に

以上が今回の私の仕事内容ですが、これ以降の、「お風呂場」 を、綺麗にするやり方として少し書いてみたいと思います。下の画像を見てみてください。f:id:Paintwork:20150727034154j:plain

「床のタイル」に白化現象が見られます。これは 「薬品」で、「漂白」や「洗い」

という作業をすれば綺麗になると思います。「綺麗になります」と書きたいのですが、

「やってみなければわからない」部分もある作業なので断言できないですが、「思います」。

それから「浴槽」ですが、かなり表面の色がとんで、白化がみられるのと、経年劣化しているのがわかると思います。浴槽自体に「穴」や「傷」などは見られませんが、おそらく「美装(清掃作業)」などでは、回復できないかもしれませんので、このような場合に とりあえず、塗装してみて,塗装が悪くなったら浴槽を交換するくらいの気持ちで塗装するのもありかと思います。

予算にあった判断、「塗装や、浴槽の交換」など、検討してみるのもいいかもしれません。 

続きは 

paintwork.hatenablog.com

今回はこのへんで。