paint work’s 塗装工事に関する blog

建築塗装をはじめとした 色々な塗装工事についてのブログです

work 69 車の汚れの落とし方 私の車は自然コーティング その①

前置き

今回は、自動車の塗装屋さんでもなく、コーティング屋さんでもない、ペンキ屋の私が自動車の洗車やコーティングを語ってみたいと思います。 

作業車

ペンキ屋の作業車ってどんなイメージでしょうか。恐らくトラックやワゴン車などで、ボディーの至る所にペンキがついているなどを想像するのではないかと思います。

しかしながら最近は皆さん綺麗な車に乗っている方も多いです。

私は独立してからは、作業車はずっと軽ワゴン車に乗っています。昔のように足場などを組むような事もなくなりトラックも必要ないですし、軽ワゴン車なら、現場での駐車スペースにもあまり困る事がないですし、基本的に一人なのでそれで充分なのです。  

洗車 

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 車好きな人はマイカーを週に1度か、2週間に1度は洗車したり、ワックスをかけたりすると思います。次の日に雨の天気予報が出ていても、洗車場などで車を洗ったりしている人を見かけます。こだわる人はコーティングなども行っている方もいます。

「自動車」は家に次ぐ高額なものなので、いつまでも綺麗にしたいと思っている人が多いと思いますし、そのためのカーケア商品なども挙げればキリがないほどありますし、磨き屋さんや、コーティング屋さんなど、業者も沢山あります。

洗車のコツや艶の出し方などの解説も、さまざまなメディア(書籍・HP・ブログ・動画サイト)で山ほどあります。

解説しているメディアなどをみても、「水アカ」、「ウォータースポット」や「イオンデポジット」など、言っている単語は同じですが、解説が各々違っていたり、ワックスやコーティングにしても様々な種類があったり、それを行うための解説などがバラバラでどれが正しいのか、一般の人にはわかりづらいと思います。

皆さんは車の汚れについて汚れを放置するとよくない、手入れ(洗車など)をこまめにしないと早く傷んでしまうとおもっていませんか?

私は自分の車の洗車を殆どしたことがありません。こと、仕事用の車(軽ワゴン車)に至っては現在の車は新車で購入してもうすぐ3年経ちますが、洗車は1回もしていません。しかも駐車している状況は「青空駐車」です。 

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ボディー側面です。

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フロントです。

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どうですか?、3年間1回も洗車していないとは思えないでしょう?。これが「自然コーティング」のパワーです。(ウソですごめんなさい。)

 前の車は8年間で1回か2回ほど洗車しました。私が洗車をしたわけではなく、車検に出したら洗車されて帰ってきました。下の写真は前の作業車と「さようなら」した時の物です。思わぬエンジン故障で修理代がウン十万かかるといわれたのと、次の車検が近かったので、修理するよりも買い替えを選びました。10年は乗りたかったのですが「さようなら」しました。

ルーフキャリアを取り外した跡に汚れがありますが、それ以外では目立った汚れもなく、塗装の艶もちゃんとあります。8年間で1~2回しか洗車しなかったようにはみえないでしょう?。 

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その前の車も10年ほど乗りましたが、1回も洗車しませんでした。 もちろん、車内は掃除していますよ!! でもあまり車は汚れていはいません。なぜでしょう?。

これからそれを順を追って長々とせつめいします。 

車の汚れの種類 

車の汚れの種類は色々とありますが、主に目立つものとして色々なメディアで取り上げられている、「水アカ、ウォータースポット、イオンデポジット」。この3種類の車の汚れについて書いてみます。汚れの種類や発生の原因などを知ると、予防策や解決策なども見つかるかもしれません。 

水アカ

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(画像クリックで拡大できます)


車の塗装の場合は水アカと表現していますが、本来の水アカとは違います。車の水アカの場合は、排気ガスのススの中に含まれる油分や大気中の油分などの汚れが塗装表面に付着した状態で、汚れが雨などで流されて、自然に乾燥するなかで塗装面に汚れとして固着したものです。 

水アカ」と、いうよりは「雨筋汚れ」や「雨だれ汚れ」ですね。

一般の住宅などでは、窓などの角からダラーと汚れが垂れているのを見た事があると思います。あれと同じ汚れです。 

自動車での特徴としてはドアノブやサイドミラーの下、パーツの隙間など、一旦水の流れや汚れなどが溜まり、そこから水が流れるような状況が出来やすい場所などに、水が垂れたような跡の汚れが出来る事で、黒っぽい汚れのため、特に明るい色(白など)の車で目立ちやすい傾向があります。

原因となる要素が日常において多く存在するので、自動車に限らず(建物などでも)、雨に当たる外の場所では比較的よく見る汚れです。

私が住宅などの塗り替えを行うにおいて、この 「雨筋汚れ」や「雨だれ汚れ」が、起きにくい塗料(超低汚染性)を使用して塗り替えを行っていますが、なかなか解決は難しく、直接塗装に水が流れないように、水切り部材なども販売されています。この汚れとの付き合いも長い付き合いになります。

雨垂れによる汚染などを防止するためには、

塗膜表面が水になじむような性質であることが重要です。

カーボンなどの汚染物質には油の性質があり、

塗膜表面も水をはじくような油の性質(親油性)をもっていると、

汚染物質が表面に付着しやすくなります。

しかし塗膜表面に水になじむような性質(親水性)があると、

油の性質の汚染物質は付着しにくく、

降雨時の雨水が汚染物質を一緒に流してしまいます。

 

引用元:日本ペイント株式会社

ファインシリコンフレッシュ カタログより

 

 水アカ汚れのまとめ

・ 汚れの種類は主に油の性質なので酸性

・ 塗装表面が水をはじくような(撥水)油の性質だと付着しやすい  

イオンデポジット

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(画像クリックで拡大できます)

 

昔はこんな名前(イオンデポジット)は聞いたことがありませんでしたが、最近ではこのように呼ぶみたいです。別名「雨じみ」と呼ばれるそうですが、一般の生活の中で言われる汚れの、「水アカ」が、これにあたります。水アカの固着状態が進むと非常に取れにくくなります。

イオンデポジットという言葉を調べましたが、

イオン = 電荷を帯びた原子または原子団

デポジット = 預り金

(参考元:ウィキペディア

の事だそうで、「電荷を帯びた原子または原子団の預り金」となります。

なんのこっちゃw。

 ただの黒をピアノブラックと名付けたり、水アカ汚れをイオンデポジットなどと呼んだり、そのネーミングセンスってカッコイイ!。そんな難しい名前をつけてもだまされないぞ!。

分かりやすく言うと、イオンは、水道水などに含まれている「カルシウム」や「マグネシウム」といった、ミネラル分が水に溶けた状態の事で、

デポジットは堆積物の事で、水が蒸発した後に塗装面に残り固着したものだそうです。

つまり、イオンデポジット = 水が蒸発し残ったミネラルが汚れとして残った状態と、いう事です。

この状態は普段の生活の中で見られるお風呂場の鏡のウロコ汚れや、キッチンなどの水アカ汚れなどと、殆ど同じよごれです。また、長く使用している電気ポット内に出来る「白い結晶汚れ」も、同じ汚れです。

これらの 水道水に含まれる「カルシウム」や「マグネシウム」はアルカリ性の汚れだそうです。(他にも水道水には「ナトリウム」や「カリウム」などのミネラル、殺菌の為の塩素などが含まれているそうです)

つまり、昔からある「水アカ」という事です。

イオンデポジットの汚れの主な要因は、洗車の際に「乾かした水道水」です。純水や蒸留水には不純物が殆ど含まれていないので当然、「カルシウム」や「マグネシウム」といった、ミネラル分も含まれていません。ですので、雨でのイオンデポジットの汚れはあまりつきません。

雨水には、ほとんどミネラル分が含まれていません。何故なら、一度蒸発してから降ってきていますので、蒸留水のようになっているからです。もし雨が原因なら、どんなに丁寧に洗車をしても、すぐに車はイオンデポジットだらけになってしまいすし、車以外の「普段は水道水では洗わないもの」建物の屋根や外壁、雨があたってしまう全ての物にイオンデポジットだらけになってしまいますし、私の3年間洗車していない車は大変な事になっているはずです。

雨が降った後にイオンデポジットのような汚れが付く場合もありますが、根本的には違う原因がある場合が多くウエスで拭き取れたり、次の雨が降れば流れ落ちます。イオンデポジットは水で洗い流すだけでは落ちないですので。

水道水で洗車をする場合は、洗車中に水が乾かないように気を付け、洗車後は速やかに完全に拭き取ることがイオンデポジットを防ぐ方法ですが、晴れた日の屋外の洗車では、難しいのではないかと思います。このような理由もあり、洗車は曇りの日がいいなどと言われたりもします。

もし許されるなら、おいしい水などのミネラルウォーターで夏場に洗車をして拭き上げもせずに放置していれば、イオンデポジットがすんごく沢山出来て、塗装を保護してくれるかも!!。ごめんなさい、ちょっと想像しただけで鳥肌がたってしまいました。 

イオンデポジット汚れのまとめ

・ 汚れの種類は主にミネラル分で、アルカリ性

・ 洗車の際に乾かしてしまった水道水

 ウォータースポット

ウォータースポットというのは、殆どのメディア(一部疑問視しているメディアもあります。)が、雨水や洗車時の拭き残しなどで玉状の水がレンズの役目をし、太陽光などで焼ける事で塗装やガラスなどが凹状に損傷を与える事で、「水のレンズ効果で塗装やガラスが焼けた物」と、言われています。

が、ちょっと待ってください、私の車は3年間一回も洗車を行っていませんし、雨が降ってもそのままです。ですが、ウォータースポットなどと呼ばれるものは何も出来ていません

黒や濃紺などの光の吸収率が高い車だからだと言うのも理由にはなりません。なぜなら「窓ガラス」にも出来るとされているからです。ですので私はウォータースポットという汚れは無いのではないかと思っています。 

ウォータースポットの汚れのまとめ

・ イオンデポジットの汚れで水アカの固着状態が進んだ状態ではないか。

その他の汚れ

その他の汚れなども色々あるのですが、私の場合は、目視で気になる汚れ以外は そのまんまです。気になった場合は以下のように対処しています。 

鉄粉

何処からか勝手に飛んできて、勝手に付着してますが、基本的に放置しています。そもそも飛んでくるほどの重さや大きさなので、老眼の私には見えません。目につくほどの大きさの物なら貰い錆などの原因になるかもしれませんので、「鉄粉取り粘土」などのグッズで除去した方がいいかもしれませんね。

プロが鉄粉取りを行っているのは、錆の原因とかではなく、洗車や磨き作業の時に、ウエスやスポンジ、ポリッシャーなどの作業時に、鉄粉を噛みこんで、塗装に傷がつくからです。つまり、自分の都合でやっている事なので、洗車をしない私にはまったく関係のない事柄です。 

鳥のフンや虫のしがい

基本的に放置。雨が降ったら流れる感じ。雨で流れ落ちない物は雨が降っている時にティッシュで軽く落とす程度。変にこするとよくないです。

これだけではアレなので追加で書きますと、虫のしがいは主に酸性です。(季節や種類によってアルカリ性もあるとのこと。)虫などを食べる鳥のフンなども主に酸性です。下で書いていきますが、何性か覚えていれば大丈夫です。 

ピッチ・タール

別に塗装に対して害があるわけでもないので、目立たないものは放置。目立つ物はペンキ屋なので弱いうすめえきなどで拭き落とし。専用クリーナーも売っていますが、そもそもそんなに付着しませんよね。 

樹液

いままで生きてきて、樹液が車について困ったことは一度もないですが、状況や環境などでしょうがなくついてしまった場合は、植物系油脂汚れなので、中性洗剤程度で時間をかけてゆっくり洗えば落ちます。 

花粉

私はひどい花粉症ではないので、なにもしません。雨で勝手に流れ落ちてしまいます。 

黄砂

私は黄砂アレルギーでもないのでなにもしません。運転中黄砂が酷く前が見にくいときはワイパーで落とす程度です。これもまた、雨で勝手に流れ落ちてしまいます。 

塩害

状況や環境に影響される事なのでこれはある意味しょうがない事ですし、防ぎようもないです。カーシートをかけるとか、シャッター付きのガレージに入れるとかが、少しは効果がある事かもしれません。 

汚れのまとめと対処法

自動車の汚れは色々あり、それを落とすための洗車グッズ(洗剤やクリーナー)など、挙げきれないほどの沢山の商品が発売されていて、洗車屋さんや磨き屋さんが使用している業務用まであります。ですので、一般の方はどれがいいのかわかりづらいと思います。

自動車の汚れについては、水性の物ではだめで溶剤を使用するとか、塗装表面を削らなくてはいけないとか、そういうケースもありますが、結局は 酸性の汚れかアルカリ性の汚れの 2種類です。

上の方で私は、主な汚れについては、「原因と何性なのか」書いてきました。

汚れが付く原因を理解し、対策すれば汚れは付きにくくなります。そして、付いてしまった汚れには、何性なのかを理解すれば汚れも落としやすくなります。

例えば、最初にあげた汚れの「水アカ(雨筋や雨だれ)」汚れならば、塗装表面を、「水をはじく親油性」よりも「水になじむ親水性」にしておけば、水アカ(雨筋や雨だれ)汚れが付きにくくなります。塗装って、塗ったばかりの最初は何もしなくても水をはじきます。撥水効果のある洗車やワックスを行わなければ、時間の経過と共に撥水性がなくなり、勝手に親水性になります

付いてしまった、水アカ(雨筋や雨だれ)汚れを落とすには、酸性汚れなのでアルカリ性の洗剤で中和すると落としやすくなります。 

100均の重曹クリーナー」で水アカ(雨筋や雨だれ)を落としてみました。

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「100均の重曹クリーナー」で落ちない雨垂れ汚れを、「台所用マジックリン」で落としました。

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といった具合です。つまり、汚れには、「酸性の汚れ」と「アルカリ性の汚れ」が、あるという事です。 

洗剤

家庭用洗剤やカーシャンプーなどの汚れを落とすための洗剤には、酸性・弱酸性・中性・弱アルカリ性アルカリ性と、液性別の種類があります。 

汚れは中和する事によってよく落ちます。酸性を中和するにはアルカリ性アルカリ性を中和するには酸性となります。市販の洗剤は、用途に応じて汚れが落ちやすい液性に設定されています。

例えば、コンロ周りなどの油汚れ(酸性)が付きやすい場所には、台所マジックリンなどのアルカリ性

トイレなどの尿汚れ(アルカリ性)には、サンポールなどの酸性、とか。

 汚れは洗剤で中和するとよく落ちるという事です。

よく耳にする節約系洗剤として使われる、「重曹」や「クエン酸」も、重曹アルカリ性クエン酸は酸性と、液性を利用した汚れ落とし法になります。 

中性洗剤 

食器洗い用洗剤などの台所用洗剤や、自動車のカーシャンプーなどの洗剤は中性洗剤が多いです 。良くも悪くも中性なので、汚れ液性に対しての 中和効果がうすいです。

自動車の カーシャンプーなどは、「水アカ(雨筋や雨だれ)」の、酸性汚れと、「イオンデポジット」のアルカリ性汚れ混在している車汚れでは、1つの商品で両方の液性汚れを落とすには、中和効果は薄いですが、中性洗剤しかないことになります。従って、酸性の汚れにもアルカリ性の汚れにも効果はいま一つという事です。

食器洗い用洗剤などの台所用洗剤の場合は、しっかりと洗剤を洗い流せなかった場合には、誤って人体に入ってしまったりする危険性があったり、また中性ではない洗剤は手荒れを起こしやすいなどの理由から、中性洗剤が多く使われています。

また、台所洗剤やカーシャンプーなどの中性洗剤は、そのままでは油汚れが落ちにくいので、水と油を混ざりやすくする、「界面活性剤」というものが使われている事が殆どです。油の汚れを水となじませて、水で洗い流すためです。 

今回のまとめ 

市販のカーシャンプーなどで中性洗剤が多いのは、素人の方でも使いやすく、良くも悪くも汚れに対して効果が強すぎないからです 。それだけではアレなので、界面活性剤や細かい研磨材などで補助しています。

洗剤やクリーナーなどで見かける「白色系や濃色系」などの種類があるのも、素人の方が使っても大丈夫なように研磨材の配合などを分けてあるだけで、基本的にはかわりません。

実は色によってよごれが目立たない色があります。もうおわかりですね!!

ですが、汚れが目立つ色の方が多いのが現状です。白い車は雨だれなど、黒っぽい汚れが目立ちますし、黒い車はホコリなどがついて白っぽい汚れが目立ちます。

それらの目立つ汚れが付かないように 色々な物や業者がありますが、永続的につづくものは一つもありません。

本当は、ワックスや、磨き、コーティング などについても色々と書きたかったのですが、汚れだけの記事で非常に長くなってしまいました。その辺もぼちぼち書いていこうかと思います。 

続きはこちら 

paintwork.hatenablog.compaintwork.hatenablog.com 

今回はこの辺で。